成功しそうでしない商売、ネットスーパーはどう運営するべき?郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2011年10月20日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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ミステリーな“ワクワク鮮魚BOX”はいかが

 「高い」と感じた配送サービスにも突破口があるかもしれない。ローソンの新浪剛史社長は先日の決算発表会でこう言った。

 「物流に価値があるなら喜んで払います!」

 らでぃっしゅローソンの「マイらでぃBOX」は旬の野菜などをメールで提案して、指定配送日に届ける“おすすめサービス”。野菜やPBなら常温宅配でOK。しかし、らでぃっしゅローソンでは、常温と冷蔵の宅配を同時に頼むと“2個口”になってしまう。消費者転嫁は表向きはなくても、コスト高要因だ。

 だが、1つの箱に野菜と冷蔵品を一緒に入れて配送できれば違ってくる。社長はネットスーパーの求める常温(20度)・冷蔵(2〜4度)・冷凍ニーズを、料金を含めて満足できる配送サービスが現状ではないというのだ。品質を追えば料金が高くなるのは仕方ない。各社の宅配便料金は信頼性にほぼ比例している。だがニーズがあるのにシステムがなく、特別扱いで高すぎるものになってしまうこともある。

 相棒の料理研究家のcherryさんはズバリ“鮮魚”が欲しいと言う。

 漁港では一定の品質を満たす魚以外は、クズ魚として地元消費に回される。しかし、不揃いでもうまい魚をむしろ魚好きは喜ぶ。そんな不揃いの魚が「40匹あります!」と100人の魚好き登録顧客にプッシュメールすると、競争で1分で完売しそうだ。あるいは「旬の稀少魚をBOXに入れます、中身は届いてのお楽しみ」のお魚ワクワクBOXもうれしい。

 らでぃっしゅローソンのおまかせサービスは肉でも野菜でもいい(野菜では“不揃い・規格外”があるが、品目は決まっているというような)。料理レシピはお届け日にメールで送ろう。BOXは例えば1カ月1万円までとプリペイド制度を導入すれば、顧客にとっては買い過ぎの予防線にもなり、ネットスーパーには販売計画が立つ。

 ネットではOne to One、お客さまごとのサービスをするのが究極の姿。「あなたの好みを知っています。朝一番でとれましたから送ります」――こんな朝市ネットスーパーが欲しい。

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