米国には「zillow.com」や「craigslist」といった住宅のオーナーと買い手・借り手が直接取引できる「C to C」のサイトがある。中古住宅の流通が日本より進んでいる米国では、このようなサイトで住宅を選ぶことが多い。
筆者は現在、米国に長期出張をしているため、実際に現地で家を探してみた。試しに「zillow.com」でサンフランシスコの家を検索すると、4581物件が表示された。
詳細に物件を見ていくとオーナーと直接連絡を取り合えるものと、不動産会社の預かり物件に分かれており、どちらもサイトからメールを送ると直接返信をもらえる。賃貸の場合は、物件を見て気に入れば、その場で契約の手続きとなる。
売買については、いろいろと手続きがあるので、エージェントを介すことが多いものの、消費者間取引(C to C)も増えてきており、全取引量のうち、実に20%を占めるまでになってきている。
ただ「C to C」が進んでいるからか、不動産会社の営業マンのレベルは高くない。
接客やホスピタリティの質が低いだけでなく、付加価値をつけるような提案は少ない。賃貸の場合だと、見たい物件の鍵を渡してくれるだけで、後は自分で勝手に見に行って物件を決める。こちらが住宅選びのアドバイスを求めると、返ってくる言葉は決まって「ネットを見て」と「あなた次第」である。
日本と比較すると「B to C」※の「B」(企業側の対応)のレベルは低い。そもそも、仲介業者は「C to C」の補完機能という側面が強く、日本の家選びにおける「B to C」とは全く異なるものというのが妥当な表現だろう。
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