住宅業界での「C to C」の普及は、単なる「中抜き」のような単純な話ではない。
企業や営業マンが付加価値を高めることで存在意義を出していくのか、それとも付加価値をつけられずに消費者同士の直接取引が進んでいくのか。業界全体の価値提供の企業努力と、消費者の賢い住宅選びとのせめぎ合いの構図とも言える。
今後、中間業者(B)の役割が、米国のように形骸化されるとは考えづらいが、「住宅業界の流通化」が進んでいく限り、「C to C」への流れは必至である。
それはつまり、一消費者レベルで考えれば、住宅選びへの主体者意識や自己責任がより求められることになり、消費者の間で住宅選びの情報や行動にますます格差が広がることになるだろう。賢い消費者にとってはオプションが広がり、ますます良い買い物ができる時代になるが、その逆もあり得るということである。一人ひとりが住宅選びの正しい知識を身につけ、良い買い物を実現する準備を進めていく必要があるのだ。(権田和士=インタープライズ・コンサルティング)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング