緊張すると早口になってしまう人必見の「地上の星の法則」

» 2011年11月04日 08時00分 公開
[木田知廣,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:木田知廣(きだ・ともひろ)

シンメトリー・ジャパン代表。米国系人事コンサルティングファーム、ワトソンワイアットで、成果主義人事制度の導入に尽力。欧州留学を経て、社会人向けMBAスクールのグロービスの立ち上げをリード。2006年、経営学の分野で有効性が実証された教育手法を使い、「情報の非対称性」を解消することをミッションとしてシンメトリー・ジャパンを立ち上げる。


 「人前で話す時、どうしても緊張して早口になっちゃうんです……」という悩みを持つ人は多いですよね。実際、日経プラス1で行われた「スピーチは得意?」というアンケートでも、早口にならないように多くの人が気を付けていることが分かりました。

 世の中に「話し方講座」みたいなものはいっぱいあると思うのですが、早口を防ぐ方法でピンとくるのは個人的には見たことないんですよね。

 「一音一音、丁寧に、口を開けて話すようにすれば」というのは正論。多分、アナウンサーのように人前で話すトレーニングを受けた人ならこれだけでいけるでしょう。でも、一般人としては、緊張してそれができないのが悩みなわけで。

 ……というときでも無意識に「効く」とっておきの方法を紹介します。題して「地上の星の法則」。

スピード感を体にしみこませる

 まあ、タネを明かせば簡単なのですが、話す前に頭の中でリハーサルってやるじゃないですか? その時についでに、中島みゆきさんの『地上の星』を歌いましょう、というもの。

 いや、曲は何でも良いのですが、ポイントはそのスピードにあります。『地上の星』は100BPM (Beat Per Minute)で、1分間に100回リズムの強弱があるのですが、これがちょうどいいのです。ちなみに、文字数で言うと1分間に300文字くらいが適当ということで、1ビートで3文字しゃべるぐらいの感覚なのでしょう……という理屈は抜きにして、ぜひこれはトライしていただきたいです。

 というのは、頭の中でのリハーサル時に歌っておくだけで、まったく意識をせずにビートが体に染みついて、本番に臨めるのです。心臓マッサージのペースにもこの100BPMというのはちょうど良いらしく、人間の体になじんだリズムなのでしょうか。

 いずれにしても、緊張下に置かれた時は、なまじ頭に頼ろうとするよりも、体で覚えたことの方が良く出ると思います。簡単な方法ですし、ぜひ使ってみてほしいですね。

 なお、ビジネスファシリテーターという観点からは、「早口にならない」は必ずしも唯一の正解ではありませんのでご注意を。慣れてきたら、『地上の星』で作ったベースペースを早くしたりゆっくりしたりとコントロールして、聞き手の注意を引きつけることができるようになると、それだけで伝わり方がグッと違ってくるかと思います。(木田知廣)

 →木田知廣氏のバックナンバー

関連キーワード

ビジネス | スピーチ


Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.