米国株高にもかかわらず、損失隠しなどを嫌気して売られるものもあり、大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年11月08日 16時33分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 米国市場は堅調となったのですが、円高気味ということや企業の不祥事問題などから手仕舞い売りが嵩んで大幅安となりました。それでも前場ではまだ値持ちも良かったのですが、後場になってから売り直され指数が下落となると売り急ぐ動きもみられ、売りが売りを呼ぶような場面もあって大きな下げとなりました。為替は若干ユーロが安くなったものの特に為替の影響ということもなく、企業の不祥事が日本株全体を敬遠する動きになるとの見方から売り急ぐ場面もあったのだと思います。

 朝方オリンパス(7733)がストップ安で寄り付き、若干、瞬間的に反発となる場面もありました。こうした銘柄をこのタイミングで買うというのがどうかという問題はあるのですが、先日のDENA(2432)のようにストップ安で買うということもそれなりに考えさせられる面はあるかと思います。ただ、いつでもそうですが、こうしたタイミングで「買う」ということは当然売りのタイミングも考えているわけで、こういう買い方、特に今日のような不祥事で売られたストップ安を買うということは1円でも戻れば売るという覚悟でもないと買えないのではないかと思います。

 売るという行為でも、買うという行為でも必ず決めておいた方が良いのはどういうタイミングで反対売買をするかということです。飛び乗り、飛び降りのつもりで動いている銘柄に手を出したのはいいが、買ったところが高値になって塩漬けになってしまう、などということも良くあるのですが、損をしようが儲かろうが飛び降りるつもりで買ったのであれば飛び降りなければならないということなのです。

 業績を見て買った場合でもそうです。業績が上方修正されたから買うというのであれば、上方修正された場合はどの程度まで株価が上昇するのかを考えて買う必要があるということです。引け後に上方修正が発表され、次の日にストップ高まで買われてもまだ買うのか、発表された日の引け値よりもどの程度までなら高くても買うのかを見極める必要があるのではないかと思います。買うときに理由があるわけですから、売るときはその理由が実現した、理由で買われたらもうその後は売らなければならないということなのです。儲かったから売るというのもいいのですが、単に儲かったということは売る理由にはならないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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