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» 2011年11月22日 08時05分 公開

ニッポンの紛争地帯をゆく:知ってる? 韓国大使館への抗議で、やってはいけないこと (4/5)

[窪田順生,Business Media 誠]

屈辱に耐えるのが愛国運動?

 「そうなんです。ただね、我々はここにプラカードを持って立つということを目的として、押したり引いたりしてどうにかここまでもってきたんですよ」

 なるほど、つまりは「5人ルール」と引き換えに、「黙る」という条件を呑んだというわけですか。でも、あっちは日本大使館前で日の丸を焼いたり踏んだりかなり自由度高いじゃないですか。なんか不公平というか、こっちばっかガマンしているというか……。

 「でしょ? 実に情けないでしょ? ソウルの日本大使館前で、元従軍慰安婦を名乗る女性たちがやってるパフォーマンスを考えれば屈辱的ですけど、それを受け入れなくちゃいけない。屈辱に耐えるというのも愛国運動なんです」

 確かに、世界が賞賛する被災者の態度といい、「おしん」といい、過酷な運命に耐えるというのは日本人のひとつの美徳のような気もするが……なんかスッキリしないなあ。

もちろん警官隊も静かに見守るだけ。都心とは思えぬ静寂さである

デモ終了、警官隊と抗議メンバーが互いに労をねぎらう?

 冷たい風が吹きすさぶなか、ただただ、黙ってプラカードを掲げる26人。警官や私服刑事たちも黙ってそれを見つめている。お昼の四谷で、車通りの激しい新宿通りで、もう40分も100人近い人々がなにも言わずにただ立っている。なんだかえらくシュールな絵だなあ。

 ちょうどお昼ということもあって、付近のサラリーマンやOLさんたちが物珍しそうに見ている。

 大使館の中では、女子高生ぐらいだろうか、韓国の若い女の子たちが抗議メンバーの様子をみてクスクスと笑っている。ま、そうだよね。繁華街とかでよくみる看板をもった“サンドイッチマン状態”だもんねえ。

 13時に近づくと、主催者の1人が沈黙を破り、参加者たちにげきをとばす。

 「さあ、あと少しですよ! 最後にプラカードを掲げましょう」

 はるか頭上にある韓国の国旗に向かって、高くプラカードを突き上げる人々。かなり、腕が辛そうである。ほどなく、「おつかれさまでした」のかけ声とともに抗議デモ終了。見れば、参加者だけでなく警官隊にも笑みがこぼれている。西村氏にいたっては、私服刑事と「おつかれさまでした」などと労をねぎらっている。このみんなで「沈黙デモ」を成し遂げた的な一体感は、中国大使館前抗議にはまったくなかったものである。

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