1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『双子の悪魔 』(幻冬舎文庫)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo
11月21、22の両日、筆者は3カ月ぶりに宮城県石巻市を訪れた。4月以降、東日本大震災で甚大な被害を受けた地域を何度も訪ねるたび、生々しい現地での声に接してきた。これから冬を迎える被災地では何が起こっているのか。被災地の外に住む筆者は、またも厳しい現実を目の当たりにした。
→【震災ルポ(1)】大津波で崩れ去った石巻市――そこで見たものは
→【震災ルポ(2)】都知事の“天罰発言”を聞いたとき、被災者の感情は
→【震災ルポ(3)】陸の孤島・雄勝町――津波に襲われた集落の姿
→【震災ルポ(4)】奇妙な鉄の棒の正体は? 被災地で見たもの
11月21日未明に自家用車で東京の自宅を発ったあと、筆者は東北道・三陸道を経て石巻市北東部、雄勝町水浜に向かった。
雄勝町に向かう間、石巻市河北町の北上川の堤防を走った。4月の当欄震災ルポの取材で訪れた際は、津波により決壊した土手と川の間に鉄板が敷設されただけの仮設道路だった。降りしきる雨で何度もスリップを繰り返し、川に転落しないよう細心の注意を払いながら通行した。
しかし、現在は堤防が再建され、道路はアスファルト舗装が施されていた。また、4月に訪れた際、大きなショックを受けた河北町釜谷地区の様子も一変していた。
震災が発生してから1カ月後、当時の釜谷地区は破壊された住宅やがれきの撤去がほとんど手つかずの状態で、自衛隊や警察による行方不明者の捜索が行われていた。
だが、現在はほとんどのがれきが撤去されたうえ、重機による整地も行われていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング