欧州金融不安が薄れ、週末の大幅安の反動や米国株高を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月12日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
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明日の相場雑感

 週末の米国株が大幅高となったことや日本市場では週末の大幅安となっていたことの反動から大幅高となりました。ただ寄り付きの買いが一巡となった後はいつものことではあるのですが、方向感に乏しい展開で指数は小動きとなりました。ここ何ヶ月かのパターンと同じで、「いつも通り」寄り付きは欧州の動向に振らされた米国株の動きにあわせた売り買いとなり、その後は日本独自の材料には乏しく方向感のない展開となりました。

 いつものことながら日中の値動きに乏しい展開となりました。動かないときには徹底して動かず、動き出すと理由のないなかで一方向に動き出すということが多いような気がします。それだけ市場参加者の種類が少ないということなのでしょう。先月まではユーロの動きにリンクして動いているような面もあったのですが、今月に入ってからはユーロにリンクするということでもなく、朝方に売り買いが交錯して動いたあとは動きはみられず、突如として午後になってから下落となったり、上昇したりという相場となっています。

 経済指標などに反応するということもほとんどみられなくなっており、あくまでも目先の需給要因に振らされているということだと思います。目先の方向感がないときは徹底的に方向感がなく、いったん方向が出ると一斉に利益確定の売りや買戻しなどを交えながら動くということなのでしょう。動き出してから動けば良いということで誰も動き出さないということが多く、持高調整の売り買いなどで方向が決まると大して材料がなくても方向が出るということなのでしょう。

 個別銘柄の動きも同じようなもので、動き出してから材料を探すというようなことも多いのではないかと思います。好決算を発表しても、まとまった持高調整の利益確定売りを出す向きがあると一斉に「出尽くし」とばかりに売りになり、逆に持高調整の買戻しが入ると「好決算だから」と一斉に買いに出るということなのだと思います。こうしたときは大きなトレンドに期待してじっくりと投資をするか、徹底的に目先の動きについた方がうまくいくと思います。目先のつもりで買って下がったから長期投資に切り替えるなどということは特にこういう相場では損失拡大の危険が伴うと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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