A:もし結婚しても、旦那さんに頼るのではなく、自分も働いてさらにお金を増やしていきたいと思っています
岡村:男性の年収が下がっていることはご存じですよね。こうした環境が続いているので、「経済的に頼られても困る」という男性は多いかもしれません。特に、今の20〜30代は大変ですね。
A:私たちが……大変?
岡村:今の50代は、経済が右肩上がりの時代を過ごしてきました。しかし今の20〜30代は、同じように右肩上がりで給料が伸びていくことは期待できません。親世代とは、一生涯で5000万円ほどの差が出てくるでしょうね。
A:えっ、5000万円も!?
岡村:年金や健康保険といった社会保障の仕組みは、世代間の支え合いの仕組みになっているので、若い人ほど負担が大きい。今の20〜30代は昔のように「男性は仕事、女性は専業主婦」といったライフスタイルは難しいでしょう。なのでAさんのように「自分でも稼ぐ」という発想はものすごく大切ですね。
A:私の周りの先輩たちは、このように言っています。「結婚したいけど、お金がない」「不安だ」と。
また50代の人は「オレが若いころ、デート代は男性が全部出していた」と言っていました。しかし私たちの世代は、割り勘が基本……。
岡村:50代は年収も経済も右肩上がりの時代だったので、男性が「デート代を全部出す」ことができたのかもしれない。しかし今の若い人は、なかなか年収が上がらない。ひょっとしたら下がっていくかもしれないので、男性にしたら頼られるのはちょっと辛いかもしれませんね。
A:結婚しても、離婚するかもしれません(笑)。また病気になるかもしれない。自分が働けなくなったときに備えて、資産運用をして、お金を増やす方法を教えていただけませんか?
岡村:Aさんは毎月コツコツお金を貯めていて、さらに長い目線で物事を考えることができる。世間には貯金もできないのに「投資で一発当ててやれ!」という人が少なくありません。こうしたことだけは絶対に止めてくださいね。
蓄えがないのに、投資をしようとするとどうなると思いますか? まず、お金を借りるしかありません。お金を貸す側というのは、借りている人がきちんと返済している限り損はしません。しかしお金を借りて投資をしようとする人は、利息を返済しながら投資を続けなければいけない。つまり利息以上のもうけを出さなければいけない。
なので毎月貯めているお金の一部を、投資として積み立ててください。もうひとつ投資で大事なことは「長期的な目線」。今、若い人を中心に、FXの人気が高いですよね。日本でFX人気が高いのは、なぜだと思いますか? 僕は「日本人が投資というものを誤解しているから」と考えています。多くの人は「投資=一攫千金」といった思考を持っているので、そういった投資にハマりやすい
海外では「投資」といえば、株式、債券などのことで、FXはいわば“サブ的な商品”。でも日本だと「FXから投資を始めました」という人が多い。
そもそも投資というのは「1年で、手元資金を倍にする」といったものではありません。もちろん1年で手元資金を倍にした人もいますが、1年で“すっからかん”になった人もたくさんいます。僕は「投資」について、このように考えています。「10年、20年という長い時間をかけて倍にするものだ」と。
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