鈴木:ネットメディアのことについて、30代はビフォーとアフターを知っている。しかし30代に比べ、20代前半はビフォーのイメージが小さい。
例えば、大学生に携帯電話についてレポートを書かせました。すると「携帯電話は人間関係を面倒くさくさせるので、ないほうがいい」と書く人がいます。それはそうですよね。彼らは、携帯電話が「ある」ことによって、「ない」状態より便利になった経験をしていないから、「ある」ことによって生じるデメリットしか分からない。
津田:TwitterやFacebookといったソーシャルネットワークも同じですよね。
鈴木:20代と30代、このジェネレーションギャップは、ひょっとしたらものすごく大きいものかもしれません。例えば20代では、「友だちはみんなmixiからFacebookやTwitterに移っている。じゃあそろそろ自分も移らないと」という感覚を持っている人が少なくないように思われます。
また「携帯電話は人間関係を面倒くさくさせる」と感じているのは、このようなタイプが多いですね。Twitterで津田さんに@を飛ばして「話を聞いてもらえるかもしれない」といったメリットを感じるよりも、「彼女に居場所がばれて、浮気がばれるかもしれない」といったデメリットを考える。「じゃあTwitter、止めておくか」という結論になる。
津田:僕は今の大学生には、期待しているんですよ。大学生という売るほど暇な時間があるときに、面白いモノに出会うことは大切。社会人になってから面白いモノが出てきても、なかなか夢中になることは難しいですから。一日中それに没頭して、それを使って「起業しよう」という発想にはなかなかなれません。
大学生のときに世界を変えるようなテクノロジーやメディアが出てくることは、その人たちにとってものすごく大きいこと。歴史を振り返ってみると、パーソナルコンピュータが出てきたときにはスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、孫正義といった人物がいた。彼らは1955年前後生まれが多い。
鈴木:大学生のときに、コンピュータが自分の手元にあったというわけですね。
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