米国株高を受けて買い先行となるも、相変わらず閑散とした相場で伸び悩み清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年12月26日 15時30分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 日本市場が休場中の先週末の米国株が大幅高となったことから買い先行となりました。クリスマス休暇前の手仕舞いの買い戻しで高かった分もあるのですが、欧州金融不安が一段落となったことや米国景気鈍化懸念が薄れたことも大きいと思います。日本市場も米国株高に連れて買い先行とはなったものの、それ以上に買い上がるだけの手掛かりにも乏しく、寄り付きの買いが一巡となった後はいつものことながら方向感に乏しく、上値の重さを嫌気した売りに押されて上げ幅縮小となりました。

 寄り付きこそ買い先行となり、勢いが良いかと思われましたが本日も「閑散小動き」となりました。米国では昨年と同じように「サンタクロース・ラリー」となった感もあり、戻り高値更新となりました。欧州金融不安や米国景気鈍化懸念から欧米株式が売られるときは、日本市場も景気が悪くなるのではないかとの見方から売られるのですが、米国景気鈍化懸念が薄れて米国株が買われてもあまり反応するという印象はありません。12月といっても昔のような大納会や大発会などのイベントもお正月気分も薄れているので、あえてここで年末だからというような手仕舞いの動きがあるとも思われないのですが閑散として盛り上がりに欠ける展開となっています。

 季節要因と言ってもヘッジファンドの決算や欧米での決算などが取りざたされるようで年末・年始ラリーなどと言うこともなくなってしまったのかもしれません。昔は「持ちつき相場」だの、「掉尾の一振」だのと年末・年始は盛り上がることも多かったのですがなんだか少し寂しい感じです。今年の正月はカレンダーの関係で本当に「単純な4連休」という感じで盛り上がらないのだと思います。

 先日も述べたように、単にシステム上の都合などと考えずに年末・年始くらい、「半日立会い」などといったイベント=お祭り気分の立会いとしても良いのではないかと思います。せっかく、前場・後場というように昼休みを挟むようなシステムになっているのですから、そうしたイベントも必要ではないかと思います。祝日は米国の方が少ないのかもしれませんが、感謝祭とかクリスマスとか米国などの方が「イベント」を通じてのメリハリということはあるのではないかと思います。メリハリとか何かのきっかけのためにもこうしたイベントで盛り上がることも必要なのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.