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» 2011年12月26日 18時21分 公開

テレビに未来がない? ウソだと思う遠藤諭の「コンテンツ消費とデジタル」論(3/5 ページ)

[遠藤諭,アスキー総合研究所]

テレビとタブレット/スマホはどちらか、ではない

 このコラムで、かつて「ネイティブマップ」というものを作ったことがある。そこでは、1950年代中盤〜1970年代中盤生まれまでの人たちを「テレビネイティブ」とした。この世代では、テレビが最大のコンテンツのテリバリー手段で、家族や学校のクラスの仲間や日本中をシンクロさせる神経系統として作用した。それがまるで様変わりしているのは事実だが、テレビに未来がないのかというと、そんなことはないと思う。

 “家の中のスクリーン”という意味でのテレビは、今後も強力なデバイスの1つであり続けるだろう。手を使わずに没頭できるという点においては、映画『マトリックス』の液体漬けで脳内活動だけを続ける未来の人間の姿に近いのは、カウチポテトなのだ。そのテレビが、つい最近までは1インチ1万円と言われていたものが、いまや10インチ1万円に近づいている(液晶テレビ以降は、テレビもムーアの法則の恩恵に預かっていることに気付いてほしい)。

 コンテンツ提供媒体としてのテレビも、見たいものが映し出されるのであれば、メディアとして過去の遺物になることはない。そのための新しい秩序が作られようとしているのがいまで、ちょっとしたイス取りゲームを新旧のメディアがやっているような感じなのだ。そこにおいては、人々の人気の集積所として機能してきたテレビ局のやれることも多い。そうした変化の途中であることを実感させるニュースが目立っているのも事実ではないか。

 海外メディアでは、イノベーションのトレンドはスマートフォンからテレビに移ってきているように思える。ザッと拾っても、次のようなトピックがある。

・アップルが「テレビ」を発売

 同社の最新のA6プロサッセを搭載すると言われる。iPhoneやiPadのような軽やかに動くテレビは、テレビ番組表を見るのにもモッタリした家電メーカーのテレビを、一気に過去のものに追いやる可能性がある。

・グーグルの「GoogleTV」もやる気

 エリック・シュミット会長は、「来夏には、大半のテレビに GoogleTV が組み込まれる」と発言している。テレビ局と格闘中ではあるが。

・コンテンツ配信も多様化が進む

 アマゾン、アップル、グーグルがクラウド型のコンテンツサービスを開始。HuluやNetflixなど、PCへの配信も活発だ。国内でも民放が集まって見逃しチャンネルを開始する。

・HTML5でブラウザがテレビになる

 今後のテレビに求められる機能がブラウザに吸収されると言われる。国やメーカー間の力関係と動向が注目される。

・海外ではテレビ映像系アプリがブレイク

 ディズニーの「Second Screen」のような新しい鑑賞スタイルを提供するものから、米ヤフーの「IntoNow」まで、さまざまなアプローチがある。

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