公務をドタキャンして、キャバクラで豪遊? そんな事実はない中田宏「政治家の殺し方」(3)

» 2011年12月30日 08時00分 公開
[中田宏,Business Media 誠]

政治家の殺し方:

この連載は書籍『政治家の殺し方』(幻冬舎)から抜粋、再編集したものです。

前横浜市長の中田宏氏は「女性スキャンダルまみれ」で「ハレンチ市長」と命名された。悩み苦しんで白髪頭となり、死を考えたこともあった。今だからこそ語れる、地方政治のダークな実態とは。

中田宏氏のプロフィール

昭和39(1964)年9月20日生まれ。会社員の父親の転勤に伴い小学生から高校生の間は横浜、福岡、大阪、茅ケ崎、横浜と移り住む。身長184センチ、体重75キロ。趣味は読書とフィットネスジムでのトレーニング。座右の書は「路傍の石」(山本有三)、座右の銘は「先憂後楽」。血液型、性格共にA型。


海外視察をドタキャンし、芸能人と遊んでいた?

 私が悪質だとして裁判を起こしたなかに、公金横領疑惑と海外視察ドタキャン疑惑がある。

 前者は、横浜港大さん橋の国際客船ターミナル管理業務を横浜市から約8600万円で委託されていた横浜港振興協会が業務を民間の会社に丸投げし、約4700万円をピンハネ、そのお金が私の懐に入ったというものだ。記事には図が掲載され、あたかも横浜市民の税金を私が盗み取ったかのように説明されていた。

 もちろん、そんな事実はまるでない。裁判で、「そのお金はどこに存在しているのか、どのお金なのか、きちんとした形で証明してほしい」と追及すると、相手は答えに窮した。もともとそんなお金はなかったのだから、証明できるはずもない。

 また、横浜市とサンディエゴ市の姉妹都市提携50周年の式典の出席をドタキャンし、キャバクラで豪遊したと報じられた件については、サンディエゴで山火事が発生し、事態が収束しなかったため、ギリギリまで検討したものの出張を断念したというのが真相だ。

 その結果、4日間ほどスケジュールが空いてしまった。ちょうど横浜出身の人気デュオ“ゆず”の10周年記念コンサートに2カ月以上前から誘われ、出張があるので断っていたのだが、サンディエゴ行きがなくなったため、急遽(きゅうきょ)、お祝いに駆けつけることにした。同様に、横浜出身のEXILEのHIROさんと電話で話して「合流しよう」ということにもなり、飲みに行った。それをおもしろおかしく記事に書き立てられたのだ。

 通常、横浜市長のスケジュールは数カ月先までびっしり詰まっている。それが突如、空白になった。そういう滅多にない時間だったからこそ、できたことである。ところが記事では、「公務放棄で遊び呆けていた」と、まるで遊ぶためにサボったかのように表現されている。

 丸3年かかった裁判では、一連の記事の内容が事実無根であり、判決文には「裏づけ取材がほとんど行われておらず、このような記事を執筆、編集、掲載した被告(講談社)の行為はずさん」と書かれ、私の訴えを全面的に認める内容となった。裁判の過程では、講談社が要求した“被害女性”と称する人物の証人尋問さえも行われず、私を弁護した先生からは「裁判所がいかにずさんな記事であるかを明確に認めた判決です」と言われた。

 一方、元ホステスから慰謝料を求められた裁判についても、女性の訴えが棄却され、私の勝訴となったが、それについては次に詳しく書きたいと思う。

続く

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