コラム
» 2012年01月06日 08時00分 公開

30代の会社員が、身につけるべき“選択力”吉田典史の時事日想(2/4 ページ)

[吉田典史,Business Media 誠]

 役員の存在がその時点では貴重であり、「親父さんのときは、〜だった。それをいきなり変えても……」という言い分を認め、引き下がることができたと振り返っていた。それだけではない。「役員が話す他のことのうち、いくつかを受け入れた」とも話す。

 確かに、ここまですると、「選択」と言えるのだろう。すると、役員はメンツが保たれたと思い、機嫌を悪くしない。結局、役員4人は彼女が経営者として1本立ちするまで、その後7〜8年間は支えていたという。ただし、この方法ですべてがうまく進んでいたわけではない。役員との間で口論があり、経営改革が遅々として進まないこともあったと漏らしていた。

会社員普遍の真理

 ここまでを読んで、会社員のあなたは何を感じるか。私は、彼女の「選択力」を会社員が学ぶべきだと思った。この女性経営者の話に出てくる役員は、あなたの上司に置き換えることができるからだ。

 特に30代半ばの会社員で、職務遂行能力がある程度に達した人は心得ておくべきではないだろうか。この年齢になると、上司のことを少々、「ウザい」と思うものだろう。私も同じ心理だった。

 大切なことは、上司とどのように接して、いい意味で利用し、自らの力を上げていくかということだろう。上司を敵に回している限り、その社員は浮かばれない。役員になっても、社長という上司がいる。上司を動かす人が活躍するのは、「会社員普遍の真理」である。

 そこで「選択力」を私なりに解説したい。まず、自分を少しでも客観的に見つめてほしい。女性経営者が自身を「役員よりもキャリアが浅く、力が弱い」と認識したように、自分を時に批判的にとらえることも必要だろう。

 しかし、これが難しい。会社員は個人事業主や創業経営者と比べ、法的に雇用が守られている。また、他の会社の社員と1対1で競い合う場が少ない。だから、少々、社内で結果を出すと「俺はデキる」と思い込みがちである。それは「錯覚」だと私は思うが、そのくらいに冷めた目で見直したい。

 女性経営者の次の言葉を思い起こしたい。「役員が話す他のことや担当する仕事。そして彼がいないと、役員会はどうなるか。さらにこの会社はどうなっていくかを紙に書いて想像していた」

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