ホームによっても売れ筋が変わる!? 複雑な駅ナカマーケットエキなか!(1/2 ページ)

» 2012年01月10日 08時00分 公開
[笠井清志,Business Media 誠]

「エキなか!」とは?:

駅内の店舗と言えばキヨスクと立ち食いそば、というのは今や昔の話。2000年代に入り、その集客力を目当てに、本屋からブランドショップ、理容店までさまざまな業態が出店するようになり、大きな駅では商店街のようなエリアが生まれていることも。そんな駅ナカビジネスの裏側に迫ります。


 これまで2回の記事で、駅ナカマーケットの特徴は「通過客が中心のため、滞在時間が短い傾向にある」とお伝えしてきた。

 →売上7倍! 駅ナカマーケットが、ものすごく有望なワケ

 →電車を利用する人は、どんなお店を求めているの?

 実は駅ナカマーケットには、さらに複雑な特徴がある。今回はその中でも大きな特徴の1つである、立地による違いについてお伝えする。

JR東京駅地下にあるグランスタ

ターミナル駅と郊外駅の違い

 一口に駅ナカマーケットと言っても、「ターミナル駅」と「郊外駅」ではお客さんの傾向が異なる。それぞれの特徴を見てみよう。

ターミナル駅

 東京駅、品川駅、池袋駅、新宿駅、大阪駅、名古屋駅、博多駅のような、鉄道利用客が目的とするような駅のこと。鉄道利用客の利用時間を検証すると、ターミナル駅では朝と夕方にピークがある。朝は会社に出勤するために降車し、夕方は自宅に帰るために乗車するということだ。こうした駅では徒歩10分圏内の近隣住民の昼夜間人口比率を調べると、夜間人口より昼間人口の方が多い傾向がある。

郊外駅

 浦和駅、国分寺駅、八王子駅、津田沼駅のようなベッドタウンにある駅のこと。ターミナル駅と同様の考え方で、鉄道利用客の利用時間は早朝と夜にピークがある。そして、駅から徒歩10分圏内の近隣住民の昼夜間人口比率では、昼間人口より夜間人口の方が多い傾向がある。

 このようにターミナル駅と郊外駅では利用客数がピークとなる時間が異なるため、店舗に求められる商品やサービスも異なることになる。例えば、郊外駅では朝食を食べられるような店舗は厳しくなる傾向にあり、ターミナル駅では家庭へのお土産ニーズからか、スイーツ系の店舗が有望といったことである。

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