トップが名経営者であればあるほど、この傾向は強まります。これは企業経営者だけでなく、行政府のトップであっても同様です。
周囲をイエスマンばかりで固めるトップを戴く組織は、失敗に向かって進み始めた時、ブレーキを持たない暴走機関車となるのです。
会社の本質的な価値を上げることよりも、会社のイメージ作りを重要視することもまた、危険な兆候です。会社のイメージ作りを目的化していくと、やがては有価証券報告書さえも会社のイメージ作りのためのツールと化してしまい、粉飾に手を染めることにつながっていきます。
また、大失敗した経営者の中には、企業のテレビコマーシャルなどに自ら登場したがる経営者が非常に多く存在しました。この点に関する経営者のビヘイビアは、重要なリトマス試験紙となるでしょう。
自らの描いたビジョンに夢中になるあまり、その実現に至るまでの困難を見過ごしてしまうケースが多く見られました。
自らの過ちを認められないメンタリティを持っていると、問題に直面した時に、さらに前に進むしか選択肢は残っていません(これを、エスカレーション・オブ・コミットメントと呼びます)。こうして、「小さな失敗」は、あっという間に「大失敗」へと成長していくのです。
大失敗をする経営トップは、かつて自らが経験した成功にこだわるあまり、組織をより窮地へと追い込んでいきます。
「アンラーニング」は、誰にだって容易なことではありません。しかし、名経営者だと自任している人にとってほど、困難なことはないでしょう。
以上、「大失敗する人の7つの習慣」を紹介しました。
いかがでしょうか? みなさんの組織のトップや、みなさん自身にどれだけ当てはまる部分があったでしょうか?
悲惨な大失敗を引き起こさないように、時折、組織のトップや自らの姿勢について、チェックされることをおすすめします。(橋口寛)
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