世界一周中に起業、26歳の若者がスペイン語オンライン学習事業を始めたワケ世界一周サムライバックパッカープロジェクト(1/6 ページ)

» 2012年01月31日 08時00分 公開
[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト

太田英基(おおた・ひでき)

世界一周中のバックパッカー。1月5日現在、デリー滞在中。1年半で40カ国以上の訪問を予定。若者の外向き志向の底上げのため、海外で働く日本人を訪問したり、旅の中で気付いたことや発見したことをWeb中心に情報発信しながら旅をしている(サムライバックパッカープロジェクト)。学生時代に広告サービス「タダコピ」を立ち上げた元起業家でもあり、根っからの企画屋。Twitterアカウント「@mohideki」では旅の様子をリアルタイムに発信している。

 →目指せ世界一周!「サムライバックパッカープロジェクト」とは?


 僕と同じ世界一周旅行者であり、20代の若者である2人の旅人、吉川恭平さんと有村拓朗さんが中米グアテマラで起業したという報告を受け、「これはサムライバックパッカープロジェクトで取り上げなくては」と思ったので、紹介させていただきます。

 実は僕は彼らと面識があります。面識があるも何も、僕が旅立つ直前の10日間ほどは、彼らの自宅に居候させてもらっていました! 当時から、「彼らは異彩なエネルギーを放つ異色系旅人だ」と感じていました。

 そんな彼らは「ロハスパッカーズ」という旅プロジェクトを起ち上げて、長期旅行に出かけるのですが、まさか旅中に起業するとは思わなかったので驚きました。まさに彼らのエネルギーが生んだチャンスなのだと思います。

 彼らが株式会社dotzを立ち上げてスタートした「スパニッシモ」という事業は、オンラインでスペイン語のレッスンを格安で受けられるサービスです。英語のレッスンはすでに多数のサービスが日本市場向けにもリリースされていますが、スペイン語というニッチな部分はまだまだ未開拓。きっと彼らが業界の先駆者となって市場拡大を行っていくのでしょう。

左が吉川恭平さん、右が有村拓朗さん

世界一周をしながらなりたい姿を追求

――自己紹介と、これまでの歩みについて教えてください。

有村 僕と吉川は大学で出会いました。一緒にイベントや企画を考えて実行するようになったのは、お互いが留学から帰ってきた3回生の時からですね。1回生の時は吉川がギャル男過ぎたのと、有村が体育会系過ぎるという温度差によって、お互いの人生が交わることはなかったからです。

 留学から帰国後、吉川がネパールの人々にPCを寄付するためのチャリティ企画を考えていて、そこに僕が加わったことがお互いを知るきっかけになりました。

 僕は米国で、吉川がニュージーランドで海外生活経験があったこと、とにかくはちゃめちゃで楽しいことには何でも参加するし、いろんな人と関わるのが大好きなこと、意外と真剣に世の中を自分たちで良くしていきたいと思っていたこと。このあたりがカギとなって、語り合ってはいませんが、仲良くなっていった部分なのではないかと思っています。

吉川 僕もそう思います。

有村 その後、吉川が休学をしてユーラシア大陸横断に行き、僕はリクルートで働き始めました。2年目に吉川が東京で就職することをきっかけに、もう1人の大学時代からの友人である栗林を誘い、3人でシェアハウスを始めました。

シェアハウスにて

 シェアハウス時代は、自分たちの可能性について、将来について、彼女について、3人で何度話したか分かりませんが、これを通じて、1人1人の「もっともっと自分の可能性を追求していきたい」という思いが強くなっていきました。

 そんな3人の選択肢にふと上がってきたことが、世界一周をしながらそれぞれのなりたい姿を追求していくことでした。一番考えたことは「たった1人でもこの旅をやるかどうか」。ここはそれぞれで悩みました。たとえ1人でも自分で企画をして、実行できるくらいの思いを持たないと、きついなと思ったので。

 それぞれが「1人でも旅に出る」と決意した時、「それなら3人ならもっと面白いことできんじゃね?」ということで、3人で旅に行く準備を始めました。

 旅費、企画、営業などをクリアするのに1年間の準備期間をとり、2011年の1月に旅立ちました。そして旅を始めてから9カ月後、僕らはオンラインのスペイン語会話サービスを立ち上げることにしました。人生ってホントどうなるか分かりませんね……。

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