東京駅ではどんなお土産が売れているの?エキなか!(1/2 ページ)

» 2012年02月07日 08時00分 公開
[笠井清志,Business Media 誠]

「エキなか!」とは?:

駅内の店舗と言えばキヨスクと立ち食いそば、というのは今や昔の話。2000年代に入り、その集客力を目当てに、本屋からブランドショップ、理容店までさまざまな業態が出店するようになり、大きな駅では商店街のようなエリアが生まれていることも。そんな駅ナカビジネスの裏側に迫ります。


 長期の休みや年末などには、帰省ラッシュで混み合うJR東京駅。1日平均の乗客数(2010年度)は38万1704人と、JR東日本エリア第5位。JR山手線を始め、東海道線、京浜東北線から新幹線に至るまで、さまざまな路線が行き交う交通の要衝駅である。

JR東日本エリア内の1日平均の乗車人員(2010年、出典:JR東日本)

お土産を求める人の流れが変化

 そんなJR東京駅だが、2007年10月25日に駅ナカ商業施設「GRANSTA(グランスタ)」が開業したことで、人の流れに大きな変化が生まれている。開業前、お土産や駅弁を購入する場合は、隣接する大丸の地下街や八重洲地下街に向かう人が多かったのだが、東京駅構内だけで完結できるようになったのである。

 その変化はデータからも確認できる。2011年12月にインターネット調査で「JR東京駅内で利用経験がある施設」を尋ねたところ、「トイレ」(1位)や「待合室」(6位)といった駅設備に混じって、「お土産屋」(2位)、「コンビニ」(3位)、「駅弁屋」(4位)、「本屋」(5位)が上位にランクインするようになったのだ。

飲食店を中心にさまざまなショップが並ぶGRANSTA

 GRANSTAが開業したとはいえ、「東京駅周辺といえば丸の内地区含め日本のビジネスの中心で、観光地ではないのだから、お土産は買わないのでは?」と疑問に思う人もいるかもしれない。

 実はJR東京駅の利用者は「首都圏:その他地域=52%:48%」とほぼ半々。そのため、「お土産を誰に渡しますか?」という質問では、「家族へのお土産」(1位)、「知人向けのお土産」(2位)、「帰省用のお土産」(4位)、「会社用のお土産」(5位)という結果となっている。

 会社用のお土産なら極端な話、「味」よりも「数」が重要。つまり小分けできて、同僚たちに分けられるお土産が好まれるのだが、JR東京駅では愛する家族に渡すお土産のニーズが大きいということで味や品質、話題性がポイントとなっている。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.