個人消費に対する期待もあって堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2012年02月29日 07時00分 公開
[清水洋介,Business Media 誠]

<日経平均>9722.52▼11.68

<TOPIX>772.77△2.92

<NYダウ>13005.12△23.61

<NASDAQ>2986.76△20.60

<NY為替>80.45▼0.14

住宅指標は予想を下回ったものの、個人消費に対する期待もあって堅調な展開

 朝方発表された住宅価格指数が予想を下回ったことや目先的な過熱感も依然として強いことから、手仕舞い売りが嵩んで軟調となる場面もありました。それでも消費者信頼感指数が予想を上回り、個人消費の拡大に対しての期待も根強く、総じて堅調な展開となりました。ギリシャ国債の格下げにみられる欧州金融不安に関してはある程度織り込み済みと言うことで特に反応はみられず、足元の好調な景気を織り込むような堅調な地合いとなっています。

 センチメントが上向いていることで芳しくない経済指標への反応は鈍く、好調な指標には敏感に反応するというような状況です。好感されるニュースであれば、ちょっとした材料に反応するというような楽観的な見方になっています。ここから主要な経済指標の発表に一喜一憂することになるのでしょうが、好材料に敏感に、悪材料には鈍い反応となって強含みの展開が続くと思われます。個人消費や住宅関連に好調な指標がみられると特に反応が良くなってくるのだと思われ、いわゆる「金融相場」から「業績相場」にしっかりと移行していくのかどうか、取りあえずはダウ平均の13000ドル台の値固めが期待されます。

 個別には新型携帯端末を発売すると報じられたアップルは高く、連れてというわけでもないのでしょうが、インテルやIBMなどハイテク銘柄は総じて堅調となりました。国内外で販売が好調と伝えられたドミノ・ピザが大幅高、2011年10−12月期最終損益が黒字転換となったオフィス・デポも大幅高となりました。予想を上回る増益となったオート・ゾーン(カー用品)も高くなるなど好材料には素直に反応していました。欧州金融不安が薄れていることからバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株も高く、景況感も好調ということでアルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感株が堅調、個人消費の回復も期待されるということでウォルマートやホーム・デポなども堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 本日の日本市場は半導体メーカーの破綻や円高、目先的な過熱感もあって売り先行となり、下値を試す場面もあったのですが、底堅さを確認して先物にまとまった買いが入ると買戻しを急ぐ動きもあって堅調となりました。月末を意識して買い急ぎもみられ、最後は高値引けとなりました。円高も半導体メーカー破綻の思惑からの円高という面もあり、破綻の影響が限定的とみられると先高期待も根強く、買い急ぐ動きとなったものと思います。

 米国株は堅調、為替も落ち着いているということや昨日午後の上昇の流れを受けて堅調な地合いが期待されます。売り難さも出てきていると思われ、押し目買い意欲も強く、円高に振れるような場面がなければ堅調な展開が期待されます。ハイテク銘柄等の見直し買いや配当利回りなどに注目した買いなども出て来るのでしょうし、月末ということで指数の影響の大きな主力銘柄等には「お化粧買い」期待も出てきそうです。基調は強含みであり、まだ割安の修正が続く可能性もありそうです。

 目先的な過熱感からいったん9500円〜600円水準での底堅さを確認するような展開になるのかと思われましたが、瞬間的に試す動きはあったものの今度はさらに上値を目指す動きになっているようです。ただ、目先的な過熱感が強いことには変わりなく、円安に振れる動きも一段落となって来ればいったん手仕舞い売りに押されて上値も重くなると思われます。次の節目である9800円〜900円水準を意識するところでは上値も重くなり、再度9500円〜600円水準での底堅さを確認するような場面もあると思います。

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