首都圏で起きたM8〜9クラスの地震をみると大正関東地震(1923年)、その前には元禄関東地震(1703年)があって、この2つの地震の間隔は200年ほど。現在は大正関東地震からまだ100年ほどしか経っていないので「しばらくはこないかな」と思っているのですが、過去の地震を見れば200年の間にM7クラスの地震はたくさん起きてきました。これが首都圏の特徴でもあります。
M7クラスの地震というのは北は茨城県のつくば市くらいから南は房総半島の南端。東は千葉県の銚子、西は神奈川県まで含んでいます。このくらいの広い範囲の中に、過去100年間に5回、M7の地震が起きています。これを「発生の確率」という言葉にすれば「30年以内に70%」ということになります。過去100年間にM7の地震が5回起きていれば、今後100年間でもM7クラスの地震は5回くらいは起きると考えられます。
過去100年間にM7クラスの地震が5回――。これは世界的にみても非常に数が多く、また偶然に多かったわけではありません。地震というのは基本的に、プレートの周辺部で起きるもの。日本列島の近くでは「太平洋プレート」という地球上で最も大きなプレートが東の方にあって、それが1年間に10センチほどの速さで西の方に押し寄せています。
また南の方には「フィリピン海プレート」という海洋プレートがあります。この2つの海洋プレートが日本列島の下にもぐりこんでいる。これが原因となって、日本では地震の回数が多いのです。
首都圏の地表の下にはこの2つのプレートが存在していて、世界で最も複雑な地域の1つです。こうした環境のため、首都圏では過去100年間にM7クラスの地震が5回も起きました。
私たちが研究しなければいけないことは、具体的にこのプレートが首都圏にどのような影響を与えているのか。また、このプレートがどこにあるのか。こうしたことを理解していくことが重要なのです。
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