“広告新聞”じゃダメ、こんなニュースサイトが欲しい!郷好文の“うふふ”マーケティング(1/3 ページ)

» 2012年03月15日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の開発、海外駐在を経て、1999年〜2008年までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略など多数のプロジェクトに参画。2009年9月、株式会社ことばを設立。12月、異能のコンサルティング集団アンサー・コンサルティングLLPの設立とともに参画。コンサルタント・エッセイストの仕事に加えて、クリエイター支援・創作品販売の「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など、印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載中。中小企業診断士。ブログ「cotoba


 ピシっとした朝刊を開く。足跡ひとつない雪道を歩く新鮮な感覚。政治、経済、商業、金融、スポーツ、生活、広告……と渡り歩く。見出しからリードへ、そして本文へ鳥のように自由に降りては飛び立つ。

 例えば、スポーツ面(私は日経でもスポーツ欄から読む)。香川真司(サッカー)さんの活躍の隣に川内優輝(マラソン)さんの丸坊主、豊田泰光(野球)さんの眼光鋭い野球コラムが飛びこんでくる一覧性。各面でも同様に“今”が一望できる。紙の新聞には熟成された構成の良さがある。

 一方、Webの新聞、つまりニュースサイトには紙の新聞ほどの躍動感がない。トップページには一行見出しが並ぶ。クリック。短文の記事にがっかりする。リリース記事の抜粋はニュースなのか? 情報の深堀りもイマイチで、去就がまだ決まらない松井秀喜の記事を見て、「昨シーズンの成績は?」と思っても、メジャーリーグ機構や彼のWikipediaへのリンクもなかったりする。

 そんなことを考えていたらこの人に出会った。

 「2005年の時点でBBCのWebサイトではライバル社の記事、例えばガーディアン紙の記事にリンクを張っていました。『なぜ?』と聞かれた編集長は答えました。『読者が便利だからさ』」

 Webならではの情報源の垣根を越える仕掛けを提案する人は、“Webのデザインとコンサルティングの活動家”を自称する長谷川恭久さん。彼の示す「ニュースの理解が深まるタイムツリーコンセプト(外部リンク)」なら、ニュースの時系列と派生するストーリーを一望できる。

長谷川恭久さん制作

 ニュースを「タイムツリー=刻々と伸びていく木」としてとらえる。時系列で流れるニュースストーリーから関連する出来事へ派生する。読者のソーシャルな発言がFacebookやTwitterに広がる。これなら最新情報を追いつつ全体像が見れる。

 長谷川さんの提案は記事を2つのカラムで構成し、左は記者の発信する記事やメッセージ、ソーシャルメディアが時系列に連なるものとする。右には派生ニュースや過去のタイムラインへのリンク、共有ボタンなど。記者またはキュレーター(情報の編集者)の紹介や用語解説もあってもいい。「なぜ起こったの?」「何が問題なの?」が分かり、「ニュースのその後」も追える。

長谷川恭久さん制作

 こんなニュースサイトが欲しい。長谷川さんに理想のWeb新聞について聞いた。

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