一般に、研修で学んだ受講者にとっての最大の難関は、学んだ内容と異なることが行われている現場であり、学んだことを実践させない上司である。現場と上司が、研修を形骸化させる。マナー研修で学んだ新人たちを上司が飲みに連れていって、「おあいそ」と言っているのは、「相手がどう感じているかは大した問題ではない」とメッセージしているのと同じだ。
いつか新人たちも、上司と同じような言い方で「おあいそ」と言うようになり、相手がどう感じるかを軽視するようになる。毎年のように新人にはビジネスマナー研修を実施しながら、一向に社内に変化が見られないのは、そのような上司の言動が原因だ。新人が「おあいそ」と言っているのを見て、その意味とマナーとは何かを教えてやるくらいの上司がいて、初めてビジネスマナー研修の効果が表れてくるのである。(川口雅裕)
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング