コラム
» 2012年03月23日 08時03分 公開

杉山淳一の時事日想:「青春18きっぷ」が存続している理由 (2/5)

[杉山淳一,Business Media 誠]

 こうした経緯を振り返ると、2012年の夏版・冬版が「別途お知らせします」となっていても廃止の心配はなく「何らかの変更がある」だけだと思われる。「青い森鉄道」の特例が見直されるか、価格や利用期間が改訂されるか。

 私としては、青い森鉄道の特例をIGRいわて銀河鉄道の好摩−盛岡間にも適用してもらいたい。この区間は花輪線の列車がIGRに乗り入れて盛岡まで直通する。青春18きっぷ利用者が未払いのまま通過している可能性は高い。IGRと協議して、すっきりさせたほうがいい。

 これ以上は憶測になってしまうが、廃止はないだろう。廃止なら今のうちに廃止と告知されるだろうからだ。もっとも、JRに限らず、フリーきっぷにはひっそりと姿を消す商品も少なくない。もともと「青春18きっぷ」は毎年発売する商品ではなく、「毎年発表される恒例」にすぎない。かつて女性グループ向けに発売されていた「ナイスミディパス」もいつの間にか見かけなくなった。そんな先例があるから、青春18きっぷも廃止(=未発売)の不安が起きるわけだ。

2010年春の「青春18きっぷ」プレスリリース。「冬の発売は別途お知らせします」と表記されている(左)、2012年春の「青春18きっぷ」プレスリリース。春のみ「夏・冬の発売は別途お知らせします」と表記されている(右、出典:JR東日本)

青春18きっぷが存続する理由

 青春18きっぷは1982年の春から「青春18のびのびきっぷ」として発売され、翌年から現在の「青春18きっぷ」という名になった。今年で発売から30周年の節目を迎えるロングセラーだ。希望的観測で言うと、2012年夏版・冬版の「何らかの変更」は、この30周年を記念した価格や特典かな、という希望的観測もある。

 青春18きっぷは、当時、赤字に悩んでいた国鉄の増収策として誕生した。1982年といえば、国鉄再建法が成立し、臨時行政調査会が分割民営化へ向けて検討していた。マスコミは赤字国鉄の経営から現場まで、あらゆる分野を叩いた。当時、鉄道少年だった私は、こうした報道をとても残念に思っていた。そんなときに登場した青春18きっぷは、とても明るい話題だった。

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