今や飛ぶ鳥を落とす勢いのAppBank Store。村井氏はその好調ぶりについて「これまで出店した店舗はすべて黒字。年内に全国10店舗までに増やしていく」と力強く語る。
しかし、冒頭でも述べたとおり、AppBankはもともとは「iOS向けアプリを紹介するWebメディア」としてスタートしていた。それが物販分野に進出し、成功した背景には何があったのだろうか。
「一言でいえば、iPhone/iPadの市場の裾野が広がったということです。特にiPhoneは女性層が主要顧客層になり、市場が一変しました。
ここ最近の新しいiPhoneユーザー、特に女性のiPhoneユーザーはアプリにお金を使うよりも、ケースなどアクセサリーにお金を使う。アプリに500円を使うユーザーが、ケースに8000円くらい使います。市場の裾野が広がったことで、アプリ市場よりもアクセサリー市場の方が大きくなってきているのです」(村井氏)
iPhoneの発売当初は、iPhone市場も30代男性の高リテラシー層が市場の中心だった。その頃は有料アプリを多数購入するユーザーが占める割合が大きかったのだが、iPhone市場が拡大したことで、“アプリはあまり購入しないが、ファッションとしてiPhoneケースを楽しむ”新しい層が拡大しているのだ。
「その点で、従来からの(アプリ紹介をする)メディア事業と物販事業は、市場の拡大と裾野の広がりにあわせて、補完的な位置づけになっています。我々AppBankとしては、iPhone/iPad市場のBtoCすべてに関わっていくことが戦略です」(村井氏)
スマートフォン市場はいまだ普及拡大のただ中にあり、IT業界の視点では、そこは“ITガジェットとアプリ&ネットビジネス”の土俵だ。しかし、AppBank Storeの躍進を見れば分かるとおり、女性層を中心とする新たなユーザー層の間では、アクセサリー市場の急拡大が始まっている。特にiPhone/iPad向けの市場はファッションや文化との親和性が高い。スマートフォンによる成長領域の1つとして、アクセサリー市場の今後にも注目しておいて損はなさそうだ。
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