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アプリ界の“ジャパネットたかた” 「AppBank」が語るブログビジネス、春にリアル店舗も(1/2 ページ)

» 2011年02月14日 07時00分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 AppBank

 iPhone/iPadアプリを紹介するブログメディア「AppBank」の存在感が増している。2008年10月にスタートし、月間ページビューは1300万。無名のアプリがAppBankで紹介された途端にAppStoreでランキング1位になった例もある。「ブログ界の芥川賞・直木賞を」とライブドアが昨年始めた「日本ブログメディア新人賞」で、大賞を受賞した。

 7人の記者を抱え、毎日10数本の記事を掲載している。収益の8割はアフィリエイトから。有料アプリがAppBank経由でダウンロードされると、売り上げの4%がAppBankに入る仕組みで、09年夏ごろから黒字という。AppBankを主宰する村井智建さんは「おそらく世界で1番iPhoneアプリを売っているメディアだと思う」と豪語する。

 記事経由でアプリが売れるともうかるAppBankは、通販カタログに似ているかもしれない。「たまたまブログの形をしているが、“アプリのECサイト”という思いでやっている。われわれはiPhoneアプリ界のジャパネットたかたです!」と、村井さんは表現。今春には東京・原宿にiPhoneアクセサリーなどを売る店もオープンする。

「インターネット=iPhoneの時代が来る」と衝撃

 AppBankは、村井さんが社長を務めるGT-Agencyが運営している。GT-Agencyは、PC・携帯サイト向けに占いや心理テストといったコンテンツを販売している企業。AppBankの編集長はGT-Agencyの海外展開責任者・宮下泰明さんが務めており、村井さんも“AppBankの顔”としてイベント出演や記事執筆にあたっている。

画像 AppBankの皆さん。中央が村井さん、左端が宮下さん

 2人がiPhoneを購入したのは日本で発売された当日で、徹夜で並んで手に入れたという。「iPhoneに衝撃を受けた。iPhoneと携帯電話が戦ったら、3年後にはiPhoneがすべての携帯に勝っちゃうんじゃないか、インターネット=iPhoneという時代が来るんじゃないかと思った」と、村井さんは振り返る。

 「iPhoneでビジネスがしたい」。すぐにそう思い始めたが、何をすればいいのかと3カ月間“もんもん”と悩んだ。iPhoneアプリを作ろうとも考えたが「自分は技術者じゃない……」(村井さん)と断念。それならば「将来自分が作ったアプリを売るときのために、アプリを効果的にマーケティングできる場を作っておこう」(村井さん)とAppBankを立ち上げた。

月間1300万PV AppBankの特徴は

画像 Smack Talk!の記事

 AppBankのスタッフは当初は2人だけだったが、現在は記者7人とサーバ担当者1人の体制で運営している。1日に掲載する記事数は10数本。365日毎日休まず更新するのがモットーで、正月もいつもと変わらず記事を上げていた。宮下さんは毎日AppStoreの新着アプリをすべて1人でチェックしているという。

 軽い文体と多めのスクリーンショットで、ノリ良く楽しげにアプリを紹介するのがAppBankのスタイルだ。記者がアプリを実際に試す様子を動画で紹介することも多い。それぞれの記者に得意ジャンルがあり、「楽器アプリならこの人」という風におおまかな担当が決まっている。

 月間PVは、ブログ単体で1300万ほど(AppBankの閲覧専用アプリ「AppBank for iPhone/iPad」除く)。iPhone人気の高まりに合わせるようにAppBankのアクセス数も伸びてきた。ソフトバンクモバイルがiPhoneの割引キャンペーン「iPhone for everybody」を始めた時には、PVが前月の倍になったという。

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