小野田紀美AI戦略担当相は2月13日の閣議後記者会見で、中国ByteDanceが開発した動画生成AI「Seedance 2.0」を巡り、日本のキャラクターを使った動画が生成・拡散され著作権侵害の懸念が生じている問題について、「実態把握を急ぐ」と述べ、政府として調査に乗り出す考えを示した。
Seedance 2.0は、動画共有アプリ「TikTok」を運営するByteDanceが2月上旬にβ版として公開した動画生成AI。音声・画像・動画・テキストをもとに最大15秒の動画を生成できる。画像は最大9枚、動画と音声は最大3点を同時に入力可能。それぞれ組み合わせての入力も可能で、例えば最初のフレームだけを画像で指定して以降は動画を参照させたり、2つの動画を入力し、そのつなぎ方をテキストで指定したりといった指示も可能だ。特にキャラクターの表情や映像の質感の一貫性、プロンプトや参考動画に対するカメラワークの追従性などに優れる。
SNS上では同サービスを利用して生成したとみられる動画が多数拡散しており、ウルトラマンや名探偵コナンのキャラクターと高市早苗首相を戦わせる動画や、ドラゴンボールの孫悟空とドラえもんを戦わせる動画、「葬送のフリーレン」のキャラクターたちが釣りをする動画などが確認できる。
小野田大臣は「著作権者の許諾がなく、既存の著作物が活用される状況であれば、これは看過できるものではない」と強調。「他者の画像やイラストには著作権をはじめとする知的財産、そして肖像権のようなプライバシー権が存在しており、使う側も適切なリテラシーを持って行動しなければ罪になりうる」とも指摘し、利用者側にも注意を促した。
その上で、関係省庁と連携して事案の精査を早急に行うとともに、ByteDanceとコミュニケーションを取りながら事案の改善に努めるよう、事務方に指示したことを明らかにした。AI法による指導・助言は、情報収集で実態を把握した結果にもとづいて行うという規定があることから、まずは実態把握を急ぐとしている。
動画生成AIによる著作権侵害問題を巡っては、2025年10月に米OpenAIが公開した「Sora 2」でも、日本のアニメキャラクターに酷似した動画が大量に生成・拡散される事態が発生した。これを受け、コンテンツ海外流通促進機構(CODA)がOpenAIに要望書を提出したほか、講談社やKADOKAWAなど出版社17社と、日本漫画家協会やアニメ制作会社を中心に構成される日本動画協会が共同声明を発表。政府もOpenAIに著作権侵害行為を行わないよう要請した経緯がある。
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