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日本政府、OpenAIに「著作権侵害行為」を行わないよう要請 Sora 2での“アニメ風動画”問題を受け(1/2 ページ)

» 2025年10月10日 17時20分 公開
[ITmedia]

 OpenAIの動画生成AI「Sora 2」で生成された、日本のアニメ作品に酷似した動画がSNS上に相次いで投稿されている問題を受け、政府がOpenAIに対して著作権侵害行為を行わないよう要請していたことが分かった。10月10日の記者会見で、城内実内閣府特命担当大臣(知的財産戦略、AI戦略など)が明らかにした。

photo 城内実内閣府特命担当大臣(会見動画より)

 問題を巡っては、OpenAIのサム・アルトマンCEOが10月4日に自身のブログで改善方針を発表。城内大臣は会見で政府としての対応の有無を問われ、「アニメ・マンガは世界に誇るかけがえのない宝」と述べた上で、「OpenAI社に対し、著作権侵害となるような行為を行わないよう要請した」と明かした。要請は内閣府の知的財産戦略推進事務局がオンラインで行ったという。

 Sora 2は、OpenAIが9月30日(現地時間)に公開した最新の動画生成AI。X上では「ドラゴンボール」「BLEACH」「千と千尋の神隠し」など、日本の人気アニメ作品に酷似したアニメ風動画が多数投稿されており、著作権の侵害を懸念する声が広がっていた。

photo Sora 2で出力可能なアニメ風映像の例

 問題を受け、10月2日には自民党副幹事長で弁護士の塩崎彰久衆院議員が自身のXで「重大な法的・政治的問題がある」と指摘。3日には「事態が改善されなければ2025年に成立したAI推進法第16条の調査権を発動し、Sora 2の基本仕様やフィルタリング措置、削除対応の実績などについて説明を求めることを検討すべき」と投稿し、政府の対応を促していた。

 10月7日には、平将明デジタル相も記者会見でSora 2について「OpenAIによって、日本のルールに合うよう調整してもらう必要があるだろう。ビッグテックの自主的な対応を強く求めたい」と言及。問題が解決しない場合には、AI推進法に基づく対応も検討するとしていた。

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