米OpenAIは10月17日(現地時間)、動画生成AI「Sora」で故公民権運動家マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(以下、「キング牧師」)に似た動画を生成する機能を一時停止したと、公式Xアカウントで発表した。
一部のSoraユーザーがキング牧師の肖像を「不敬な描写」で表現したことを受け、キング牧師の遺産管理団体The Estate of Martin Luther King, Jr.(以下「キング財団」)からの要請を受けた措置としている。
「歴史的人物の描写には強い言論の自由の権利があるものの、肖像の使用方法は、最終的には著名人やその家族が管理すべきだとOpenAIは考えている。故人の公式な代理人や遺産管理者は、SoraのCameoでの肖像の使用を拒否するよう要請できる」(Xのポストより)
米Washington Post(要購読)は11日、キング牧師が猿のような声を出したり、マルコムXと格闘したりするSora動画が公開されたと報じた。(本稿執筆現在、検索しても表示されない。)
OpenAIはSoraでの動画生成に関するヘルプページに「実在の人物を描写した画像のアップロードはブロックされています。SORAで人物の肖像を使用できるのはcameo出演のみであり、肖像権所有者からの明示的な許可が必要です」と記載しているが、本稿執筆現在、石破茂氏や故安倍晋三氏とみられる動画が確認できている。
cameoとは、ヘルプページによると、ユーザーの短い動画と音声をキャプチャして作成された、再利用可能な「キャラクター」のことという。cameoをプロフィールに登録すれば、そのcameoを動画に使えるユーザーを限定できる。
キング牧師の娘、バーニス・キング氏はInstagramへの投稿で、OpenAIが対処したことについて「キング財団はOpenAIの協力に感謝している」としつつ「私たちは不適切なコンテンツをコントロールするためのポリシー、または少なくともガードレールの整備を促進することを望んでいる」と語った。
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