スマートフォン広告市場は健全に成長するか(3/4 ページ)

» 2012年04月27日 18時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

スマートフォン広告はこれからどうなる?

AMoAdの小池政秀社長

 今後、スマートフォン広告市場で、特にアドネットワークはどうなっていくのか。小池氏は明るい見通しだと言える根拠がいくつかある、と話す。

 1つはiPadなどタブレット端末の広告への期待だ。「昨年米国に行って調べたところ、スマートフォン広告売上の10%がすでにタブレットで表示されていました。今はもっと伸びていると思います。タブレットの場合、画面が大きいですから広告単価はスマートフォンの2〜3倍。タブレットの広告価格は、PCウェブ広告の価格に近づけるのではないか」

 2つ目は、技術の進歩により広告のリッチ化が進み、複数の形へ進歩するだろうという見通しだ。「(スマートフォン)広告商品のリッチ化は今後どんどん進むはずです。そうすれば単価もアップする。現在はサイズが320×70ピクセル、40Kバイト以下の広告が主流ですが、実は400Kバイトまで配信可能です。回線も良くなっていますし、今後は容量が大きく表現力の豊かな広告が増えるでしょう。技術的な進歩もあります。HTML5で作った広告は、従来のバナー広告に比べ格段にクリエイティブの自由度が増します。例えば広告そのものがゲームになっていて、タッチして遊べる……といったものも可能になる。

 今はアプリもブラウザも同じスマートフォン向け広告が回っていますが、今後は方向性が変わってくるのではないでしょうか。アプリの広告では、ブラウザでは使えないスクリプトなどが使えるので、それこそゲームなど自由度の高いクリエイティブが作れるようになる。一方ブラウザはユーザーのCookieが取れるので、各ユーザーにマッチした、効果の高い広告を出すようになる……といったように、今後、アプリとブラウザでは違うタイプの広告を出せるようになると見ています」

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