ソーシャルゲームにはどんなものがあるのか?ソーシャルゲームのすごい仕組み(2)(3/4 ページ)

» 2012年05月14日 08時00分 公開
[まつもとあつし,Business Media 誠]

人気パッケージゲームをソーシャル化【アイドルマスター シンデレラガールズ】

 「ドラゴンコレクション」でGREEをパートナーに選んだコナミに対し、バンダイナムコゲームスはモバゲーのDeNAとタッグを組んだ。2011年8月には共同出資による新会社「BDNA」を設立し、その連携の強さを印象づけている(とはいえ、バンダイナムコはGREE向けにもソーシャルゲームを提供している点にも注意が必要だ)。

 パッケージゲームの市場が縮小するなか、成長著しいソーシャルゲームに注目するゲームメーカー大手のバンダイナムコ。そのバンダイナムコが生み出し、ネットベンチャーからソーシャルゲームプラットフォームを築き上げたDeNAが提供するのが「アイドルマスター シンデレラガールズ」だ。モバイル版(モバゲー版)アイドルマスターを略して「モバマス」とも呼ばれている。

アイドルマスター シンデレラガールズ(出典:バンダイナムコゲームス)

 アイドル育成ゲーム「アイドルマスター」はもともと、2005年にアーケードゲームとしてスタートした作品だ。初登場の時点からすでにネットワーク対戦機能を備えていた。そして、XboxやPS3やアニメなどへのメディアミックス展開を進め、2011年11月、モバゲーでのソーシャルゲームが提供開始となった。2012年2月時点で登録会員数は100万人を超えている。

 シリーズを通じてプレイヤーは、アイドル事務所のプロデューサーとなり、新人アイドルグループのメンバーをさまざまなトレーニングやライブなどの芸能活動を通じて育成していく。ゲームの合間には、ライバルグループとの評価を競うバトルが用意されており、それを勝ち抜くことでステータスや所持金がアップしていく。ユーザーはプロデューサーとして、アイドルたちと交流を図りながら、衣装や交流のためのアイテムを買いそろえトップアイドルを目指していく、というストーリーになっている。

 ソーシャルゲームの「モバマス」では、アイドルたちはやはり「カード」として登場する。アイドルカードごとにパラメーターが割り振られており、対戦を通じてこれを強化していくことができる。強化されたアイドルカードのグラフィックは変化するためコレクター心を満足させる要素ともなっている。一定の条件をクリアしなければ手に入れることができないレアカード=強いアイドルの獲得を目指して、多くのユーザーがネット上の対戦に精を出している。

 アイドルマスターはもともとパッケージゲームでも人気のあるシリーズだ。2011年末発売されたPS3版「アイドルマスター2」は販売本数10万本を超え、前作にあたるXbox版では、DLC(ダウンロードコンテンツ)の販売金額が3億円を超えたと報じられた。衣装やアイテムなどをオンラインで追加購入するアイドルマスターのDLCの販売規模はXboxの全ゲーム世界ランキングでも歴代3位となっている。

 このように、始めからネットワーク対戦機能を備えて登場し、アイテム課金とも極めて相性の良いアイドルマスターが、ソーシャルゲームでどれほどの躍進を見せるのか――プレイヤーのみならず、ゲーム業界も非常に高い関心を寄せている。

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