企業が求める英語力と、ビジネスパーソンの英語力に“差”(1/2 ページ)

» 2012年05月22日 08時01分 公開
[Business Media 誠]

 企業のグローバル化が進んでいるが、どのくらいの企業が英語のできる人材を求めているのだろうか。2005〜2012年の間に転職サイト「DODA」に寄せられた求人(約20万件)を調べたところ「簡単な読み書きや会話ができる(初級レベル)」については、2005年では全体の4.2%だったのに対し、2012年には61.0%と大幅に増加していることが分かった。

 求人数については、2008年を境に急上昇している。その背景として「リーマンショック(2008年9月)の影響を受け、国内マーケットの需要に限界を感じた各企業が、販路や販売拠点の海外展開に本腰を入れ始めたから」(DODA)としている。

 また「相手の意見を理解し、自分の意志を伝えられる(中級レベル)」、「ビジネスにおける商談・交渉ができる(上級レベル)」の求人割合も、2008〜2009年にかけて急上昇し、2012年にはそれぞれ30%前後に達している。企業のグローバル化に合わせ、英語のニーズも高まっていることが明らかになった。

英語力を求める求人割合(出典:DODA)

英語力が求められる業種

 業種別に英語力を求める求人を見てみると、海外のマーケットや企業を相手にしている業種と、内需型の業種で大きく差が開いていることが分かった。

 初級レベルの求人をみると「メディカル」(92.4%)と海外展開に積極的な「メーカー」(92.1%)については、いずれも90%を超えた。また海外との取引が多い「商社・流通」(87.7%)についても、90%近くに達した。このほか「金融」(56.5%)、「サービス」(38.3%)、「IT」(37.8%)についても要英語力の求人が増加傾向にある。

 一方「メディア」(16.8%)、「小売/外食」(31.2%)、「建設/不動産」(32.0%)については英語力を求める求人は少なかった。「ただ『建築/不動産』は大手企業を中心に海外の工事案件が増加するなど、要英語力の求人も徐々に増えると予想される。業界によって差はあるが、多くの分野で海外展開が活発化しており、英語力のニーズは高まっていくのではないか」(DODA)とみている。

英語力を求める求人割合(業種別、出典:DODA)
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