増えてきた“スイーツ男子”――その特徴は?これからのことがよく分かるコラム(1/5 ページ)

» 2012年06月06日 08時01分 公開
[渡邊純子,Business Media 誠]

著者プロフィール

渡邊純子(わたなべ・じゅんこ)

 リクルート ホットペッパー編集部 編集記事及びカスタマーマーケティング担当。居酒屋をはじめとして国内外食業界の消費者動向や人気メニューランキング、20代、30代で賑わうグルメスポットや流行っている食材・食べ方、地産地消・ご当地グルメを取材・研究。

 主な企画・記事テーマとして「5221人に聞いた“すべらない”飲み会メニューランキング」「みんなの食べたい鍋ランキング」「宴会で太らない?!食べ飲み術」「居酒屋で美女になるメニューオーダーLESSON」など。今年度から、全国のご当地キャラクターと一緒に、地産地消がテーマの飲食店を紹介する「ご当地キャラのぐるめれぽーとできるもん!!」プロジェクトを開始。地元飲食店の活性化に挑戦中。


男にとってスイーツは“日常的に”食べるものへ

 ここ数年で明らかに感じますよね。スナック菓子だけではなく「生菓子」を買う男性を見かけることが。しかし、増えてきた、といっても一部の男性で、しかも、たまになのでは? と思うことなかれ、ホットペッパーが20〜30代の男性(1520人)に調査したところ、毎日〜週1回は食べる人は60.7%。

 つまり男性の6割以上が、毎週なんらかの“スイーツ”(スナック菓子ではなく!)を食べているという結果がでました。なんと「必ず毎日食べる」人と「週に4〜5回食べる」という、高頻度な男性も15%以上いるのです。

 多くの女性は毎週何かしら、甘いものを食べていると思います。それと同じぐらいになっている、ということ。この調査は決して、甘党男子に絞ったものではありません。20〜30代の一般消費者を対象に行ったものです。ゆえに、今の20代、30代にとってスイーツを日常的に食べることは定着しているようです。

 背景には、特に購入場所が関係します。彼ら(20〜30代男性1520人)がスイーツを買う場所は、ホットペッパー調査によると、約7割がコンビニかスーパー。自宅近くで1人でも購入しやすい環境が、スイーツ購入男子数の増加、定着に一役かっているのでしょう。そして、DVDなどを見ながらゆっくり食べているようです。

 元々、ここ数年のコンビニスイーツ商品の拡充は女性層をターゲットにした戦略だったそう。しかし思いがけず男性にも売れたことで、当初予測の倍近く売り上げが伸びたので、その後「男性向けスイーツ」商品を拡充した、という大手コンビニ事例があるそうです。

 そして、商品名にも「俺のエクレア」「男のバナナプリン」など「男」をターゲットにした商品が定着するようになりました。(余談ですが、なぜか商品名に“俺”が使われることが多いですよね。“僕”はあまり見かけませんが……)

 ここまで、男性とスイーツが日常的になった時代であれば、「購入場所(コンビニまたはスーパー)・食べる場所(自宅)」という「内食」シーンを、「外食」へ転換することで、不況と言われる外食産業への救済策になるかもしれません。

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