インタビュー
» 2012年07月26日 08時40分 公開

僕は、だれの真似もしない:アップルがつまらなくなったから僕は辞めた (2/4)

[まつもとあつし,Business Media 誠]

使ってみれば、それで分かるはずだ

――それにしても就任から発売まで3カ月しかなかったわけですよね。社内の意識改革と市場に対するプロモーションの「仕込み」を同時並行でやらなければならなかったというのはタフな状況です。

前刀氏: ええ。ジョブズとの面接で採用が決まった瞬間に、バーニーズニューヨークにいる友人に「面白い会社に行くことが決まったから、一緒にコラボやろう」ってすぐ電話しましたね。もちろん、アップルだとは言わないで。

 モメンタム(勢い)を短期間で作らなければならない。まずは「iPod mini モメンタム」を作るんだ、という一点集中で取り組みました。

――そんな状況下で迷いや戸惑いはなかったのでしょうか?

前刀氏: さいわいiPod miniはすでに米国で発売していて、実物や市場での反応も見ていました。日本の女性に発売前に見せたところ、その反応も良かった。体感として「行ける」という自信はありましたね。

――けれども米国でのプロモーションとはまったく違うアプローチを取られました。

前刀氏: そうですね。当時北米ではMacやアップルブランドは日本よりもずっと存在感があり、その周辺機器としてiPodは受け入れられていました。そういった前提がない日本ではもっとファッション寄りのアイテムとして位置付けました(発表会の様子は当時の記事「iPod Mini間もなく登場――『ただMacを売っている会社でありません』」を参照)。

前刀氏 iPod Miniを手にする前刀氏(iPod mini発表当時の記事より)

 PCとつながなければならないという欠点は、実際にユーザーがやってみればiTunesのおかげで楽曲の取り込みは簡単だし、MDのように曲名を自分で入力する必要もないという利点に変わるはずだという確信もありました。

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