「お待たせしました!」という前刀禎明氏(米Apple Computer マーケティング担当バイスプレジデント)の第一声は、米国での発売開始から5カ月、登場を待ちわびているファンへの率直な気持ちだろう。
前刀氏が示した、GfK Japanによる全国3500の量販店POSデータから集計したデジタルオーディオプレーヤー売れ筋ランキング(7月5日〜7月11日)では、発売前にもかかわらずiPod Miniが1位になっており、2位・3位もiPod。また、iPod自体の累計出荷台数も300万台を突破しており、直近の四半期だけでも世界中で80万台以上が販売されているとのこと。iPodは携帯用オーディオプレーヤーとして、確固たるポジションを得たと言える。
米AppleでワールドワイドiPod担当プロダクトマネージャーを務めるダリカ・クリアリー(Danika Cleary)氏も、「iPodは人々の意識レベルへ浸透するぐらいに普及しました」と述べる。著名人がiPodを使っていることを見聞きすることも多いし、ターンテーブルの代わりにiPodを使うDJも存在している。
既に米国ではiPod Miniが発売されて5カ月が経過しているが、クリアリー氏は「iPodよりもより若い層に購入されているようです。また、5色のカラーバリエーションや小型化によって、女性にも支持されています」と、iPod Miniが新たなユーザー層を開拓したと評価する。
また、「単なるミュージックプレーヤーではなく、個性を表現するための道具としてiPod Miniが選ばれている」というように、女性向け雑誌では靴や宝石、時計などと並んで紙面を飾ることもあるそうだ。
ピンク、ブルー、グリーン、シルバー、ゴールドの5色が展開されるのもiPod Miniの大きな特徴。それぞれの色を取り上げた特設サイト(ピンク、ブルー、グリーン、シルバー、ゴールド)もオープンしている。
iPod Miniは24日から発売されるが、同社が今夏に発売する新製品はこれだけではない。駆動時間を延ばし、クリックホイールを搭載した新型iPodや、iTunes搭載パソコンをサーバにして、ワイヤレスで音楽を発信できる無線ルータAirMac Expressも間もなく発売される(第4世代iPodは発売済み)。
iPod Miniの価格は2万8140円。米国での販売価格は249ドル。現在は1ドル=110円程度なので、ほぼ同価格といえる。「米国での価格とほぼ同じ価格を実現しているところも、われわれの努力の表れと考えて頂きたいです」(前刀氏)
前刀氏は、「AppleはただMacを売っている会社ではありません。デジタルオーディオのリーディングカンパニーとして、これからも努力していきたい」とこれからの意気込みを語った。
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