相手にたくさんしゃべらせるための3つのテクニック(1/2 ページ)

» 2012年08月21日 08時00分 公開
[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 質問力を磨くのは大切だが、すぐに身につけられるほど容易なことではない。営業であれ、面接であれ、話をはずませたり、十分なヒアリングをしたりするためには、良い質問をする力が求められるが、実際には質問が出てこず、頭の中が真っ白になる人も少なくない。

 だが、相手に気分よく、たくさんの内容を話してもらうのは、質問力がなくても可能である。それが、誰にでもすぐにできる次の3つの技だ。

 1つ目は、「うなづき」。うなづくは“頷く”と書き、首やあごを使って、自分が話をちゃんと聞いていることを動作で話し手に伝える。また、“肯く”とも書くので、理解や共感・同意を示すことでもある。自分ではちゃんとうなづいているという感覚があっても、話し手から見てみれば、そうは見えないくらい小さいうなづきであることが多い。聞いている、共感していることを伝えるためには、首の後ろが伸びる感じ、あごが胸の方に向かって動く感じが必要だ。

 人前で話す人にとって、うなづきの大きな人の存在はとてもうれしい。伝わっている感じがするから、その人に視線を向けがちになるし、勝手に好感を持ってしまう。プレゼンテーションをしていて、誰もうなづいてくれないので、不安になった経験を持つ人は多いと思うが、安心して相手にしゃべってもらうためには、大きくうなづいて見せるのが非常に効果的なのである。

 2つ目は、「あいづち」。話の合間に、はい、ええ、ほお、うん、そうですね、などの言葉を挟んでいくことで、相手の話を聞くだけでなく、積極的に参加しようとしている姿勢を示す。心の中では誰でも言っていると思うが、声に出さないと意味はない。しっかり言葉にして反応を返していくと、相手の話すモチベーションが上がっていく。また、相槌は、鍛冶で2人の職人が交互に槌を打ち合わすことが語源だそうだが、これと同じように会話にはテンポが生まれてくる。

 注意点は、同じあいづちの言葉を繰り返し過ぎないこと。漫才のツッコミ側だけ聞いていると分かるが、同じ言葉は繰り返していない。「ほお」でも「はい」でもいいが、同じあいづちをずっと入れ続けると、相手は逆に「聞き流しているのでは?」と思ってしまう。相手の話の内容に合わせて、変化をつけながら挟んでいくのがポイントである。

       1|2 次のページへ

Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.