「日本のちゃんと」をマーケティングしていきたい郷好文の“うふふ”マーケティング(3/4 ページ)

» 2012年09月13日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

MarketingからMarketsへ

 浅学凡才の身、「新マーケティング」で胸を張れる体系化はまだない。これから何年かかけて詰めたい。だが今必要なことは言える。「大欲をけん制する」ことだ。

  • 少欲:大欲ではなく少なく欲する。
  • 喜び:つくる・売る・買う人みんなが喜べる。
  • 宇宙:宇宙から見て南も北もなく正しい。

 少欲知足(しょうよくちそく)という仏教用語がある。「欲を少なくして足るを知る」、ほどほどでよしとせよ。ここから始まり、ここへ終わる。人生の大敵「嫉妬」というやつを抑えこむためにも、この言葉はたいせつだ。

 喜びとは本田宗一郎氏が言った「三つの喜び」が原典。つくる人、売る人、買う人がみんな喜ぶ事業は滅多にない。百円ショップはつくる人も疲弊し、売る人も利が少なく、買った人は「ちぇっ百円だからな」。ゴミが増えて資源もムダ。社会の誰もが喜ぶ仕事をしようじゃないか。

 宇宙から地球を見たことがある人類はひと握りだが、インターネットでどこで何が起きているか、瞬時に知ることができる。ネットは宇宙視点で世界を見る道具だ。隣国同士でけなしあったり警戒しあうなんてちっぽけである。

 Marketに「-ing」をつけるのは「マーケットを走らせる」意味だと、昔教わった。走らせて儲けるそれがマーケティングだと。だがもうMarketingから-ingを取る時期だ。Markets(マーケッツ)と「s」を付けて、どの国のどの市場にも豊かさがゆいきわたる活動の方がいい。

 実はそれは、日本人なら誰でもでき得る活動なのだ。

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