なぜ恋人ができないのか? 若者の間で広がる面倒な関係仕事をしたら“若者”が見えてきた(後編)(4/6 ページ)

» 2012年09月15日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

あえてリスクをおかさない

土肥:彼氏・彼女がいない若者が増えてきている理由として、ほかになにかありますか?

原田:携帯電話やSNSの普及もかなり影響していると思います。彼氏・彼女がいない人が増えたからといって、「僕は女性が苦手……」「私は男性が苦手……」といった人が増えているわけではありません。むしろ、そうした人は昔よりも減ってきているのではないでしょうか。

 前編でもお話ししましたが、今の若者はSNSを使っているので、友だちの数が増えていっています。人間関係数がどんどん増えているので、男性であれば女友だち、女性であれば男友だちの数が増えている。ところが、それが恋愛にまで発展しない現実があるんですよ。

土肥:昔よりも異性に慣れている人が増えている。またSNSで、異性の友だちが増えている。であれば、彼氏・彼女のいる人が増えてくるのではないでしょうか。

原田:いえ、友だちのままで終わってしまうケースが多いんですよ。たくさんのネットワークでつながっているので、ヘンな口説き方やガツガツした口説き方をしてしまうと、それが噂として出回ってしまう。例えば「あいつ、ヘンな口説き方したらしいけど、ちょっとウザくねえ?」といった感じで。

 SNS上でこのような情報が流れしまうと大変ですよね。友だちと友だちがつながっているので、ヘンな噂がどんどん出回ってしまう。今の若者はそうした環境下にあるので、リスクをとるのが難しくなっています。もし女性にアタックして失敗すれば……。付き合っていても、もしヘンな振り方をすれば……。といったことを考えれば、付き合いにくくなるし、別れにくくなってしまう。

 今の若者にとって、異性と付き合うことは“村の中で結婚する”ようなもの。もし離婚すれば「あそこのダンナさん、ひどいわよねえ」といった話になってしまう。次の人と付き合うことになっても「あの人、前の彼女といろいろあったらしいわよ」といった噂話が出回ってしまう。こうした環境の中で生活しているので、恋愛することが難しいんですよ。

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