なぜ恋人ができないのか? 若者の間で広がる面倒な関係仕事をしたら“若者”が見えてきた(後編)(3/6 ページ)

» 2012年09月15日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

原田:大きな原因は2つあると思っています。1つは経済的なこと。景気が低迷しているので、女性は安定を求めがちになっているのではないでしょうか。

 例えばバブル経済のころ。女性は結婚相手に「三高」(年収高い・学歴高い・身長高い)を求める傾向がありましたが、今は違う。平凡な年収、平凡な外見、平穏な性格を望む「三平」、低姿勢、低依存、低リスクを望む「三低」の女性が増えてきています。

 自分の身の丈にあった男性を求める傾向があるかもしれませんが、でも相手は「正社員でなければいけない」と思っている人が多いんですよね。

土肥:政府が行った調査をみると、既婚男性の88.1%は正社員ですが、非正規雇用者だと5.4%にとどまってしまう。

男女・未既婚別にみた就労形態(出典:内閣府)

原田:経済的な理由で、女性の期待に応えられる男性が減っていることは確か。女性側からすれば、条件に見合う同世代の男性が見つけにくくなっているのではないでしょうか。

 フリーターをしている独身男性に話を聞いてみると「自分に自信がなくて、女性からモテない……」といった人が多いんですよね。例えば山の手沿線に住んでいるフリーター男性はこのように言っていました。「地元のキャバクラにはよく行っているけど、職業の話は絶対にしない」と。このようにフリーターであることに、どこか後ろめたさを感じている人が多い。

 一方、女性の間では「専業主婦になりたい」と思っている人が増えてきています。また男性側も自分の収入が減ってきているので、「奥さんになる人には働いてほしい」と考える人が増えてきています。景気の低迷が続いているので、このように考えるのは当たり前ですよね。

土肥:女の人は「男の将来を買え!」といった言葉がありますが、今の時代……なかなか将来の夢を描きにくくなっているのかもしれませんね。

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