企業規模(従業員数)と業種以外にも、「休みやすい会社」と「休みにくい会社」を分ける要因はあるのだろうか。
さまざまな企業規模・業種の従業員を対象に有給取得に関する調査を行い、差の要因を浮きたたせることができるCHAIDという手法で分析してみると、興味深い結果となった。
企業規模「大(従業員数1000人以上)」「中(従業員数100〜999人)」「小(従業員数30〜99人)」のすべての企業において、「オーナー系企業(創業者か創業者一族が経営している会社)」か「非オーナー系企業」かの違いが、有給暇取得日数の差に影響を与えていることが分かったのだ。
例えば下の図を見ていただきたい。「小」企業かつ「非オーナー系」企業の場合、10日以上の休みが取れている割合は16.5%いるが、「大」企業かつ「オーナー系」企業の場合、10日以上の休みが取れている割合は、10.9%にとどまる。
「大企業は休みやすく、零細企業は休みにくい」といったイメージがあるかもしれないが、それは必ずしも正確ではない。オーナー系の会社で働いている従業員は、あまり休めていない事実があるのだ。
では、なぜオーナー系企業では休みにくい環境があるのだろうか。これは想像だが、創業者は従業員に対して「一生懸命働いてほしい」という強い思いがあるのかもしれない。その結果、創業者は「従業員が休暇を取ること」に対して否定的な気持ちになる。
また、非オーナー系企業に比べ、オーナー系企業は、組織運営がシステム化されずに、創業者の思い、理念、方針がダイレクトに従業員に伝わる。こうしたムードが漂っているので、従業員は気軽に「休みたい」と言いだせないのだろう。
しかし「休暇を多くとる従業員=一生懸命働いていない」と言えるのだろうか。次に、従業員側の視点から「休み方」と「働き方」への意識をみていきたい。
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