風俗に身を落とし……待ち構えていた090金融のワナ「弱者」はなぜ救われないのか(4)(6/6 ページ)

» 2012年09月25日 08時00分 公開
[増原義剛,Business Media 誠]
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 A子の場合はヤミ金で風俗まで落ちたため特殊の例のように見えるが、ヤミ金からお金を借りているのは、けして特殊ではない。

 ヤミ金利用者として別に取材した40歳代の主婦B子は、やはり主婦仲間との飲食会の代金が5000円不足、当面、友人から借りた。貯金は50万円ほどあるが、それは崩したくない。だが、友人から借りた分の返済もあるし、家計もキツキツ。どうしても10日後の次の給料までのつなぎの意味で2万円を借りることにした。消費者金融から借りるのには今は夫の収入証明が必要になったので、結局ヤミ金から借りることになった。

 B子の場合には、スグ返済できたのでA子のような大きな被害はなかった。だが、ヤミ金についつい手を出してしまう環境は確実に増えている。またA子のように苦しんでいる人たちも、そこにもかしこにも、ゴロゴロと当たり前のように存在しているのだ。

つづく

著者プロフィール:

増原義剛(ますはら・よしたけ)

1969年東大法学部卒業 大蔵省(現財務省)に入省。東海財務局長を経て退官。2000年衆議院議員に初当選(2009年まで3回当選)。以後、自由民主党においては税制調査会幹事、財務金融部会長代理、金融調査会小委員長等、政府においては総務大臣政務官、内閣府副大臣の要職を務める。2006年には、自民党政務調査会・金融調査会「貸金業制度等に関する小委員会」の委員長として、改正貸金業法の立法に携わった。現在は広島経済大学教授。


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