今年6月、私は『ナンバー』(双葉社)という短編集を上梓した。ナンバーというタイトルは、捜査二課の別名から取ったものだ。
二課の中には、第一から第五まで知能犯捜査係が存在する。警視庁内では“ナンバー知能”と呼ばれる。
この短編集の中で、私は都庁を舞台にした贈収賄事件のストーリーを紡いだ。数年前、捜査関係者に取材した際、「都庁はおいしい」との言葉を聞いたからだ。
なぜおいしいのか。取材に協力してくれた数名の関係者の返答は概ねこうだった。
「警視庁は地方警察の1つであり、予算権は東京都庁が握っている。都庁のスキャンダルを炙り出せば、警視庁の存在感が増し、予算獲得時に優位になる」――。
また、こんな声も聞いた。
「立件までいかなくとも、都庁に“貸し”を作ることになるので、担当した捜査員は高く評価される」――。
残念ながら、先に明らかになった実際の都庁の贈収賄事件の詳細は取材していない。ただ『ナンバー』の著者としては、事件の背後にこうした思惑があったのではないかと想像している次第だ。
地味な扱いの記事の背後に、こうした事情が潜んでいると分かった上で読み解いていくと、ニュースはなかなか面白いのだ。
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