「カネのためなら何でもやる」――中国人がアフリカで嫌われている伊吹太歩の世界の歩き方(2/4 ページ)

» 2012年10月04日 08時00分 公開
[伊吹太歩,Business Media 誠]

「不公平な競争」にアフリカでも中国嫌悪が広がる

 最近シノフォビアが急激に広がっているのがアフリカだ。アフリカでは、世界的に見ても中国による進出が顕著で、中国はすさまじい勢いで入り込んできた。欧米の経済専門家の中には、中国のアフリカでのこうした動きを「新植民地主義」のやり方だと非難する者も多いが、貧しいアフリカ諸国はカネを落としてくれる中国を良きパートナーだと受け入れてきた。でも結局、中国人に対する反発がどんどん高まっており、アフリカ各国の政府が頭を抱える事態も頻発している。

ザンビア ザンビア

 アフリカ中部ザンビアで2012年8月、中国人が経営する炭鉱で事件が発生した。労働環境や賃金の改善を求めた労働者による抗議が、暴動に発展したのだ。この暴動で、50歳の中国人監督者が労働者の運転するトラックでひき殺された。別の中国人監督者も病院に運ばれたが、一命を取り留めた。

 2011年11月には、南アフリカの北西州で中国人の経営するスーパーが何者かに放火され、中国人4人が死亡する事件が発生。西アフリカのセネガルや東アフリカのケニアでも、中国による投資に便乗する中国人ビジネスマンらによる「不公平な競争」に地元ビジネスマンが排斥運動を行っている。中国との250億円規模の貿易によって、チャイナタウンがすでに存在するアフリカ南西部アンゴラでは最近、中国人ギャング37人が誘拐、殺人、売春などを行っていたとして逮捕され、中国に強制送還された。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.