キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行う。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。
Aさんのもとには彼の才能と人柄を頼って、日々さまざまな仕事や仕事相談が舞い込む。そして、彼はその中から自分がワクワクできる仕事を悠々と選ぶことができる(つまらない案件だと思えば、それを断ることもできる)。
一方、Bさんは自分に都合の良い条件の仕事を探し回っている。3度目の転職を考えているのだ。「まったく、世の中にはイイ仕事なんてありやしない」と愚痴混じりにネット上の膨大な求人情報をさまよう。
ピーター・ドラッカーは『断絶の時代』の中でこう述べています。
「先進国社会は、自由意志によって職業を選べる社会へと急速に移行しつつある。今日の問題は選択肢の少なさではなく、逆にその多さにある。あまりに多くの選択肢、機会、進路が、若者を惑わし悩ませる」
確かに、この指摘は一面で正しい。しかし、一面で正しくないとも言えます。
つまり、カタログ上の職業や職種、あるいは求人は過去に比べて増えている。Webや分厚い冊子に載る就職情報・求人情報は日常あふれるほどあり、そういった意味では、ドラッカーの言う通り、私たちはその種類の多さに“いったんは”惑い、悩む。
しかし、よくよく自分の適性やら条件やらに当てはめていくと、「これも×」「あれも×」……となっていき、ついには自分が選べるものがみるみるなくなっていく。そして、残った数少ないものに応募し、面接となっても結果は「不採用」……。
カタログの中には、無数の選択肢が目まぐるしく記載されているのに、自分はどこからもはじかれてしまう……そんなBさんのような人が世の中には多くなっています。
とはいえ、広い世間には、それとは真逆の人もいる。Aさんのような人です。彼のもとには、仕事が向こうから寄ってきます。
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