鉄道、映画、お金の関係を考える――『旅の贈りもの』制作者インタビュー（後編）：杉山淳一の時事日想（2/8 ページ）

[杉山淳一，Business Media 誠]

竹山：その489系を使うとなると、自ずとして大阪から北陸方面へというロケーションも決まり、JR西日本と調整の結果、敦賀〜福井間を走行することに決定しました。

杉山：そうすると、ロケ地は福井、金沢、富山あたりに絞られる。福井になった理由は？

竹山：知り合いが福井にいたんです。彼は某航空会社に勤務後、定年退職して地元の福井に帰り、観光アドバイザーになりました。彼が最初にやった仕事は、福井にソフトバンクのCMのロケを誘致したんです。

杉山：おお、たしか「白戸家」のお父さん（カイくん）の実家が福井市の一乗谷でしたね。そしてお父さんとお母さん（樋口可南子）が旅に出た駅が福井鉄道の西武生（にしたけふえき）駅（現在は北府駅）でした。

竹山：その人に、映画『0:00発』のパート2を作ろうと思うんだけど、協力してもらえませんか？　って話をしたんです。

杉山：なるほど、その縁で映画にもホワイト家族のメンバーが……。

竹山：そうです。登場人物が使っている携帯電話もすべてソフトバンクですよ。

福井鉄道は路面区間に大型車両が乗り入れる