メディア界において、読売は事件・事故発生時に大量の記者を投入することで知られる。雁首取りに定評のある読売がチョンボをした。また、どういう経緯で後追いしたかは知る由もないが、共同通信も間違いに気付かず、全国の加盟紙やテレビ局に写真を配信してしまった。
1年生記者が真っ先にやらされる初歩中の初歩、“雁首”取りの作業で、ほぼ全てのメディアがエラー、いやトンネルをしてしまったのだ。
10月30日の当欄で窪田順生氏が指摘した通り(関連記事)、読売や共同が配信したからOKという過信があったのは間違いない。ウラ取りの初歩である作業を怠った責任は重大だ。
iPS細胞の臨床応用を巡る誤報が起きたばかりであり、読者や視聴者が呆れたのは間違いない。
誤って写真を報じられたご婦人は、弁護士と同席した上で会見を開いた。
ここからは私見だが、この際、プライバシーを著しく侵害し、個人の名誉を傷つけた大手メディアを一斉に提訴したらどうか。
読売や共同は真っ先に謝ったが、一連のミスは謝罪して済む問題ではない。確認作業を怠った大手のメディアは、またもや横一線で頭を下げた。取材するときは報道の自由を訴えるが、間違えたときは軽く頭をさげ、できるならば“なかったこと”にしたいという意図がミエミエなのだ。大手が一斉に報じたことの意味合いは決して小さくない。
メディア界に猛省を促す意味合いからも提訴し、責任の所在を明確にさせるべきだと考える。
過日、私は某在京紙に取材された。SNSの急速な普及により、取材される側の発言力が強まり、メディアの地盤低下が進むのでは、というテーマを問われた。
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