ビジネスホテルのプチヒット商品――「トレインビュー」とは杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)

» 2012年11月23日 00時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

もっと「景色を売る」工夫を

 鉄道ファンにとって、トレインビュープランは嬉しい。どうせその地で泊まるなら、トレインビューの部屋に泊まりたい。電車好きの子どもを伴うファミリーにもおすすめしたい。そのために、もう少し工夫して、もっと魅力をアピールをしたらいい。

 例えば時刻表の常備である。市販の時刻表をポンと置くだけではなく、その窓から何時頃にどんな列車が見えるかを紹介するといい。チラシ程度でいいから、車両を説明した読み物もほしい。ビジネスホテルは観光や眺望で集客した経験がないせいか、こうしたちょっとした配慮がいき届かない。

 例えば新宿の場合、早朝夜間に貨物列車がいくつか通過する。旅客列車で過密となった新宿駅で、貨物列車が見られるなんて貴重な体験だ。しかもその貨物列車のうち、ひとつはトヨタ自動車の自動車部品輸送用として運行する「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」だ。「青色の専用貨車が連なる姿が美しい」といった紹介があれば、出張の朝を楽しく迎えられるだろう。

小田急ホテルセンチュリーサザンタワーからの眺め。青色の「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」が通過した

 ……と思ったら、小田急ホテルセンチュリーサザンタワーは昨年から、フロントスタッフが制作した「まどからみえるでんしゃ」という冊子をプレゼントしている。かなりしっかりした印刷物のようだ。

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