厚生労働白書の「共働き等世帯数の推移」調査結果(参照リンク)を見ていると、実に興味深い内容であることに気がつきます。
1980年頃は、共働きしている世帯は、していない世帯(片働きと呼ぶようです)の半分程度でした。しかし1991年にはほぼ同数に、そして翌年には逆転します。1995年には再び逆転して共働き世帯は減少するのですが、1997年にさらに逆転した後は、もうずっと共働き世帯が多いままです。そう、先の法改正以降、女性が働くということについて、実は劇的な変化が数字上では起きているのです。ただし、ここではそれを論じることはしません。要は「就活生のお母さん」とは、そのあたりの世代であるということを留意して欲しい、ということなのです。
仕事柄、私はたくさんの就活生からのメールを読む立場にいますが、ここ数年「母親の就活生への態度」に変化が起きていることに気付いていました。かつては「母親が仕事に対して理解がない」とか「就活のことを知らな過ぎて無駄にレベルの高い要求をする」といった、言い方は悪いですが「母親の無知」に困惑している就活生が多かったのです。しかしここ数年は、自らの就活の経験をベースにして、社会人のあるべき姿を語り、その上で「自分の子どもの能力を考慮せずに」レベルの高い要求をするお母さんが増えているようなのです。そう、これまでは経験がないことが子どもを困惑させていたのですが、今は経験があることが子どもを困惑させる原因になっているのです。
そこで、今回も「就活生を困らせるお母さんになっていないか」リストを作ってみました。
どうでしょう? 一つでも当てはまるお母さんは、残念ながら就活生を困惑させる母親である可能性が高いです。
一つずつ見てみましょう。まず、最初の二つは「今の就活を知らない」ことです。しかも、現状を知らないけれども、なまじ経験があるためにその経験を引き合いに出していろいろと子どもと話をしてしまうのです。確かに、お母さんの就活経験の中で役に立つ部分がゼロだとはいいませんが、多くの場合「いや、今時それは通用しないし」ということがほとんど。子どもにしてみれば戸惑うばかりです。今と昔では違っていて、自分たちの経験を「押し付けてはならない」というスタンスを持てないと、就活生のお母さんは勤まらないのです。
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