目標設定下手な管理職が会社をダメにする(2/2 ページ)

» 2012年12月19日 08時00分 公開
[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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目標設定にあたっての2つの注意

 また、目標の設定に当たっては、次の2点に気をつけなければなりません。

 1つは、組織の目標と個人の目標を、しっかり関連付けること。個人が掲げた目標を足し合わせていった時に、組織の目標に対して過不足がある状態ではいけません。みんなが頑張ったけれども、全体としては駄目だったとなりかねないからです。

 2つ目は、評価・測定しやすい表現かどうか。達成されたような感じもするし、そうでもない気もする。後でそうならないためには、時期を明確化すると共に、達成の基準やレベルや状態を具体的に表現することが必要です。以前に見た、ある管理職の方の目標に、「労働生産性の向上」とありましたが、数値や時期で達成基準を示しておらず、評価・測定できない典型例と言えるでしょう。「新商品の開発」とか「○○企画の提案」といったものも同じ。開発とか提案といっても、色々と考えられるので、社内決裁とか発売決定とか導入といった、文言にしなければ評価が難しくなります。

 目標設定は、難しいものです。SMARTの法則(スペースの関係でここでは触れませんが、検索すればすぐに出てきます)といった簡単なフレームを学んで、すぐに上手に目標が設定できるようにはなりません。しかしながら、目標とはマネジメントのスタートなのであって、惜しみなく時間をかけて取り組むべき重要な仕事です。だから、管理職の思考の中身や本気度を知ろうとするなら、その目標設定シートを見るのが一番。優れたリーダーは例外なく目標設定が上手だと思います。(川口雅裕)

 →川口雅裕氏のバックナンバー

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