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» 2012年12月19日 12時00分 公開

“遊技機”から“メディア”へ、『ぱちんこAKB48』が示した可能性(2/5 ページ)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

ヒット機種はごく一部

藤田 その後、たくさんのコンテンツが使われるようになりました。大きく分けると、『ルパン三世』のようなアニメ、特に『新世紀エヴァンゲリオン』や『創聖のアクエリオン』のようなロボットものが人気があります。また、『必殺仕事人』や『水戸黄門』のような時代劇、プロレスのような格闘技、『冬のソナタ』のようなテレビドラマや映画、AKB48や倖田來未のような歌手などが使われています。

 しかし版権ものは数多くあるのですが、ヒットする機種はごく一部です。同じに見えてもちょっと中身が違う機種が何種類か出ているものもあるのですが、今、新しい機種は年間約300機種出ています。それゆえに有名なコンテンツの品切れ感も出ているのですが、それだけたくさん出ている中でも売れるものと売れないものがあります。

 売れるための要因は何か。

 まず、もともとのコンテンツの知名度があるかは当然関係します。例えば、私は映画を作ったことがあるのですが、その映画の機種を出したとしても、知名度がないので誰も打ちたいと思わないでしょう。そして、パチンコやパチスロは“勝った負けた”があるゲームなので、それに使いやすい世界観があるかが大事です。オリジナルキャラクターの雰囲気や、勝ち負けがはっきりするような内容、ヒーローと悪者がいるようなものだったり、ドラマ仕立てにしやすいようなものだったりすると使いやすいです。

 2つ目は版権者の力とは離れて、テレビゲームなどでも一緒ですが、メーカー側にどれだけ面白いゲームを作れるかという開発力があるかですね。ここの企画力、コンテンツを映像などにしていく力が大事です。

 3つ目は予算です。いくら開発力があっても、開発するためにはお金が必要です。今、予算の中でも、映像制作の予算が特に高くなっています。2つ目とも関係していて、予算がない中でもうまく作っていく開発力があるかがカギとなります。今はオリジナルコンテンツが良くても、しっかり力をかけた開発をしないと売れない時代になってきています。

 予算を組むに当たっては、メーカでは1つの機種を作る際、どのくらい売れるのか、このくらいの予算を使っても利益が出るんじゃないかと検討します。企画者が企画を考えてきて最終的な決済をするに当たっては、版権者と版権料を相談したり、コラボの検討もしたりします。版権料が高いと開発予算が削られて、せっかく良いコンテンツでも大した開発ができなかったりします。

 最近はコラボ型が増えていますね。版権料をそんなに高くしないで、オリジナルコンテンツを売るのを手伝ってくださいということです。そして、最後にしっかりプロモーション予算をとれるかどうかで、ヒット機種になれるかどうかという差が出ます。

 先ほど言ったように今、パチンコビジネスとの相乗効果が大きくなっています。『創聖のアクエリオン』はテレビ東京系列の深夜枠で放送されていたアニメでした。放映時は一部のファンは好きだったようですが、大半の人はまったく知らないコンテンツでした。

 しかし、SANKYOがパチンコ機種にした時、テレビCMを多く投入しました。その際にテレビCMのテーマソングを使ったのですが、それがオリコンのヒットチャートのベスト10にまで入りました。オリジナルの放送時にはほとんど売れなかったのが、パチンコと一緒にやるようになって売れるようになった典型的なコンテンツでした。

パチスロ創聖のアクエリオンCM

 『北斗の拳』もオリジナルのマンガを読んでいたのは40代くらいの人で、もうマンガは卒業してしまった人も多いでしょう。しかし、パチンコやパチスロをやってみたら面白くて、改めてマンガを読んだり、アニメを見たりするようになりました。『新世紀エヴァンゲリオン』もオリジナル放送時は若い人にしか受けていなかったのが、パチスロになって新たな世代に受け入れられるようになりました。今、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の劇場公開ともコラボしています。

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