先週、私は読者からメールを頂戴した。アルジェリアの人質事件に関し、読者の知り合いが酷い取材を受けた、という主旨だった。
某紙(武士の情けであえて名前は伏せる)の若手記者が、取材を受けてもらえるか否かの確認すらしない段階で、強引に切り込んできた、というのだ。
取材するな、と言っているわけではない。取材の手法、やり方、タイミングを考えろと猛省を促したいのだ。
若手記者に指示を出したキャップ、あるいはデスクは、他社が報じたからウチもやらねばならないという勝手な理屈で動いてはいなかったか。
今般の事件は、明らかに通常の事件・事故を取材するマニュアルでは対応できないトピックだ。その理屈を分かっていない若手に、無茶な取材を強いていないだろうか。
昨年、私は産経新聞から取材された。昨今のメディア批判の高まりを分析する企画だったが、この中で「記者の取材プロセスがSNSなどの発達により可視化されている」点を強調した。
メディアの勝手な理屈で取材が許される時代は、残念ながらもうとうの昔のことになってしまったのだ。
読者からタレコミがあった際、私はこうアドバイスする。記者の名前をオープンにしてしまえ、と。こんな荒っぽい提言をせねばならないほど、最近のメディアは一般読者・視聴者が感じる嫌悪感を感じることができなくなったのだろうか。
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